Deliver Great Music

Ultimate Music Album - 極 -


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The Moody Blues - In Search of the Lost Chord:失われたコードを求めて -

傑作2nd" Days of Future Passed "に続く3作目の
スタジオ・アルバム

 

R&B、R&R、ポップスからスタートしたムーディー・ブルースだが、クラシカルな要素、先鋭性、

伝統音楽からの影響を如実に表現し、プログレのメッカであったイギリスでも独特のポジションを確立

したといえる作品で、男の不気味なモノローグ、嗤い声が入る" 出発 "からスピーディーな" ライド・マイ

シーソー "に移るところはかっこいい

フルートやシタールが入るナンバーは幻想性を醸し出し、シングルからトータルなアルバム時代に

貢献した作品でもある

プログレッシブなのに優しく温かい彼らの世界は" 童夢 " " セヴンス・ソジャーン "で頂点を迎えるが

その萌芽を感じられるアルバムである

 

§ Recorded Music §
1 Departure - 出発
2 Ride My See-Saw - ライド・マイ・シーソー
3 Dr. Livingstone, I Presume - ドクター・リヴィングストン
4 House of Four Doors - 4枚の扉の家( パート 1 )
5 Legend of a Mind - ティモシー・リアリー
6 House of Four Doors ( Part 2 ) - 4枚の扉の家( パート 2 )
7 Voices in the Sky - 青空に祈りを
8 The Best Way to Travel - より良き旅路
9 Visions of Paradise - 幻のパラダイス
10 The Actor - アクター
11 The Word - ワード
12 Om - オム

§ Band Member §
Justin Hayward - ジャスティン・ヘイワード( G,Vo )
John Lodge - ジョン・ロッジ( B,Vo )
Mike Pinder マイク・ピンダー( Key )
Ray Thomas - レイ・トーマス( Flt,Vo )
Graeme Edge - グレアム・エッジ( Ds )

 


 

 

 

このバンドほど特異、奇特な音楽性を築いた存在はそうザラにないだろう

アイディアでは前作もいいが、どうしても骨格だけが先行してしまって肉付けに物足りなさを感じて

しまうが、本作から格段に脂が乗り始めて、後に" 夢幻 "や" 童夢 "などの名作を筆頭とした創造力

あふれる数々の作品を生み出す原動力となったのが本作で、ここから快進撃が始まった

このバンドの音楽性を語るには一筋縄ではいかず、なにしろ創造力の密度があまりにも濃すぎる

総合的にはやはりプログレとしか喩えようがなく、しかもそのほかの大物プログレ・バンドたちに

先行してこれだけの創造性を形にしていた事実には圧巻である

 

 

 

 

 

Ride My See-Saw

Ride My See-Saw

  • provided courtesy of iTunes
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前作で導入されたオーケストラを排してメロトロンを全面に出した作品で、またシタールやタブラなど

インド楽器を導入してエスニック色を濃厚にしていて、この時代のサイケデリック・ミュージックに

かなり接近したサウンドを聴かせている

" 出発 "では冒頭のナレーションなど前作を踏襲した部分も感じられるが、この時代のサイケ・ロック風の

バンド・サウンドとなっていてクラシック色はやや後退している

" ライド・マイ・シーソー "はムーディー・ブルースのお得意の曲で、メロトロンやコーラスなどを加えた

素晴らしいアレンジが楽曲を引き立てている

本作はドラッグ体験をコンセプトにした作品であり、ジャケットもおどろおどろしい感じだが、特に

難解でサイケ特有の冗漫な音楽をやっているわけではない

かなり練られたアレンジと構成で、非常にメロディアスな曲をたっぷりと収録していて、ときに牧歌的で

ムード歌謡な聴きやすい作品に仕上がっている

 

ほかのアルバムでは装飾程度でしかないフルートは、ここでは満足できる演奏を聴かせてくれるし

シタールもこの頃にサイケでよく聴かれるような単にインド的な雰囲気を付け加えるものではなく

聴く者に語りかけてくる水準のものである

発売当初は、かえってこれが敬遠されて難解などと評されたが、現在の聴き手の期待に十分応えてくれる

全体の展開もよく4つの扉がまさに開かれていくようなところなどなかなかなもので、アナログでは

盤を返すと" 青空に祈りを "が流れてくるのもいい

現代の耳で聴けば確かに音質は悪く雰囲気も古臭いかもしれないが、作品の底流に流れる精神性だけは

錆び付かず瑞々しいままなので、この独創的な世界をぜひ味わってみてほしい