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Ultimate Music Album - 極 -


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John Coltrane - A Love Supreme:至上の愛 -

ジャズ100年史上、もっとも高い芸術性に彩られた最高傑作アルバム
" A Love Supreme "はその輝きを未来永却、決して失うことはないだろう

 

60年代のジャズ・シーンを重機関車のように驀進したジョン・コルトレーンの最高傑作といわれるこの

アルバムは、1964年12月9日イングルウッドのルディ・ヴァン・ゲルター・スタジオで録音された

当時のコルトレーン・グループのレギュラー・メンバーでコルトレーンのほかマッコイ・タイナー

ピアノ、ジミー・ギャリソンのベース、そしてエルヴィン・ジョーンズのドラムスの4人である

この" 至上の愛 "は、晩年のコルトレーンの猛驀進の起点となるものである

あるいはコルトレーンの進路の大いなる乗換駅といってもいい

もっとも、コルトレーンは休みなく前進する人であったから、これをもってハッキリと新しい世界に

入ったかということは厳密にはいえないが、しかし作品の" 完成度 "という点、作品が与えるインパクトの

強さ、そして最重要点はコルトレーン自身がこの作品に関して特別の意思を持っていたということを

しっかりと受け止めなければならない

 

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§ Recorded Music §
1 Part:1 Acknowledgement - パート1:承認
2 Part:2 Resolution - パート2:決意
3 Part:3 Pursuance - パート3:追求
4 Part:4 Psalm - パート4:賛美

§ Quartet §
John Coltrane - ジョン・コルトレーン( Tenor )
Jimmy Garrison - ジミー・ギャリソン( B )
Elvin Jones - エルヴィン・ジョーンズ( Ds )
McCoy Tyner - マッコイ・タイナー( Piano )

  

Love Supreme

Love Supreme

 

 

コルトレーンの演奏・音楽上の変化点では、ここで聴かれる多くの部分がすでにこれ以前に彼が試み

確立したものであるが、この" 至上の愛 "は、それにプラスされる重要なものが2点ある

ひとつは、この作品が4部からなる組曲の形をとっていることで、こうしたことは以前はあまりなかった

これらはコルトレーンの作曲の意思を明らかにしている

当時のコルトレーンは、古いスタンダード・チューンをメインにしオリジナル・チューンがあっても

それらはあくまで演奏のきっかけといった意味はおそらくあった

無論、その演奏中心主義といったものはコルトレーンの最後まで続く基本的なものだが、しかし、

この組曲の完成は彼の創作に別の要素を大きく浮き上がらせる結果となった

それを簡単にいえば思想的な問題といっていいだろう

コルトレーンは、このアルバムを" 神への小さな捧げもの "といっているが、当時コルトレーンはこの

" 宇宙・世界 "について深く思い悩み考える人間だった

 

 

 

 

アインシュタインに興味を持ち、インドの哲学にのめり込み、世界のあらゆる宗教の関心を持ち、コルト

レーンはそれと自分の音楽追求とが分かちがたくなってしまった

1964年のこの年、コルトレーンはしきりに瞑想し、あるときは完全な静寂のあと突然彼の内部に音楽が

充満するという不思議な体験を得た

それがこの至上の存在への献曲への制作に繋がったというわけである

この作品の制作にあたっては、カバラの本を読んで得た知識が使われているという

だからといって彼が無防備に宗教的になったわけではない

アインシュタインに関心を持ち近代物理学の知識を抑えながら、なおその向こうにこういう" 宇宙観 "を

持ち実践したわけで、彼のその" 宗教 "は、ニュー・サイエンスにも通じるという説もある

 

いずれにせよ、こうした問題を挟みながら晩年のコルトレーンの音楽が展開される重層的なサウンド

激しさ、そして、その中から立ち上がる不思議な静寂感

エルヴィン・ジョーンズは、コルトレーンの音楽は詩人にかわからないといい退団し、一方、ファリオ・

サンダースらがコルトレーンの" 宗教 "に魅せられ新しい仲間となる

その世界があまりにも強烈なものを含んでいたため、その後のジャズ界は安易なコルトレーンの神話に

支配されたが、しかし、冷静になってみるとコルトレーンの音楽は、また別の見方がなされるべきで

あろう実際、この音楽は宗教の力と無縁に時代を超えてファンに迫ってくるものがある

そして、さらにそこからこの巨大な表現者の真の姿を発見できるように思える