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Ultimate Music Album - 極 -


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Carlos Santana,Alice Coltrane - Illuminations:啓示 -

Carlos SantanaとAlice Coltraneのコレボレーション・アルバム
" Illuminations - 啓示 - "

 

カルロス・サンタナがジャズ・ハープ奏者のアリス・コルトレーン( ジャズ界の巨匠ジョン・コルト

レーンの未亡人 )と共演したインストゥルメンタル・アルバム

2人ともこの時期(1974年)東洋思想と精神世界にのめり込んでいただけあって、穏やかでスピルチュ

アルなサウンドが印象的になっている

オーケストラを導入するなどして生み出した荘厳なまでのサウンドは、思わず聴き惚れてしまう

ジョン・コルトレーンの魂が移ったかのような楽曲もあり聴きどころは多い

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§ Recorded Music §
1 Guru Sri Chinmoy Aphorism - スリ・チンモイの教え
2 Angel of Air - 大気の守護神
3 Angel of Water - 水の守護神
4 Bliss:the Eternal Now - 楽園:不滅なる現在
5 Angel of Sunlight - 太陽の守護神
6 Illuminations - 啓示

§ Band Member §
Carlos Santana - カルロス・サンタナ( G )
Alice Coltrane - アリス・コルトレーン( Harp,Piano )
Tom Coster - トム・コスター( Key )
Dave Holland - デイヴ・ホランド( B )
Jack DeJohnette - ジャック・ディジョネット( Ds )
Jules Broussard - ジュール・プロサード( Flute,Sax )
Phil Brown - フィル・ブラウン( Per )
Armando Peraza - アルマンド・ペラーザ( Per )

 

 

アリス・コルトレーンとの共演はカルロス・サンタナの希望だったようで、当時ロック・スターだった

カルロスが、実質どういうところを見ていたのかがよく分かる

何しろ相手がアリス・コルトレーンというのがスゴイところである

バックのメンバーもデイヴ・ホランド、トム・コスター、ジャック・ディジョネットと完全にジャズの

人脈である

ロック・サイドからの興味で聴けば、このアルバムはかなりきついアルバムだろうが、当時のアリス・

コルトレーンのソロ作を1枚でも知っている人は、すんなり入れると思う

 

 

Angel of Sunlight

Angel of Sunlight

  • provided courtesy of iTunes
 

  

" スリ・チンモイの教え "は、ミニマルなバックの演奏に朗読を重ねたもので序章といった趣き、" 大気の

守護神 "から" 楽園・不滅なる現在 "はジャージーな演奏にストリングスを加えた荘厳な雰囲気の曲である

" 太陽の守護神 "、15分にもおよぶジャズ・セッションとなっていて、シタールやタブラが鳴るインド

風のオープニングから始まり、その後は各メンバーのインター・プレイが爆発するフリー・ジャズ

なっていて、" 啓示 "はまたしてもストリングスとハープとギターによるアンビエイトな曲となる

終始厳かで、かつ穏やかな音空間に満ちている

アリス・コルトレーンのソロ作には、相当に強烈な演奏も多いのだが、このアルバムでは祈りのように

穏やかな印象を与える楽曲ばかりだ

アリスはアグレッシブな後半の1曲でのウーリッツァーオルガンを除いてハープに専念、夜の大海の

絶え間ないうねりのような弦楽のアレンジメント

そしてアリスの生み出すうねりの中を泳ぎ回る魚のようなカルロスのギター

 

このアルバムにはロック・ビートもラテン・ロックも一切なし、官能的なギター・フレーズもそう多くは

ない

間違いなくカルロスのキャリアの中で" 宗教色 " " スピリチュアル "度が一番高いアルバムだと思う

個人的にはこのアルバムは好きではあるが、まだ紹介していない" ウェルカム "や" 不死蝶 "を聴き込んだ

人でも戸惑う人はいると思う

とはいっても、伸びやかな歌うようなギターの音色は本当に美しいし、演奏者の気持ちや感情の動きに

合わせて、微妙に変化する音色に巧みにコントロールするカルロスのテクニックには感心させられる

常軸を逸したトリッキーなフレーズや速弾きなどなくても、1970年代のジャズ・ロックの大いなる遺産で

あり、優れた作品のひとつであると再認識できる

このアルバムは" カルロス・サンタナ "のソロ・アルバムであって、バンドとしての" サンタナ "とは別物と

考えなくてはいけないアルバムであるのは間違いない