Eric Claptonのイメージを決定的に変えた1974年の作品
" I Shot the Sheriff "で、レゲエを世に知らしめた名盤
デレク・アンド・ザ・ドミノス名義の" いとしのレイラ "以来4年近くのブランクを経て発表された
久しぶりのスタジオ・レコーディング作品で、全米1位のヒットとなり、クラプトン復活を決定づけた
アルバム・タイトル名の由来は、このアルバムのレコーディング中にクラプトン自身が住んでいた
ゴールデン・ビーチの住宅の住所である
アルバムが発売されるや否やファンが押しかけてきたために、住所名を変更しなければならなくなって
しまったという
全米1位のシングル・ヒットとなった" アイ・ショット・ザ・シェリフ "は、ボブ・マーリーのカバー、
" ステディ・ローリン・マン "は、クラプトンに大きな影響を与えたブルース・マン、ロバート・
ジョンソンのカバー曲である
§ Recorded Music §
1 Motherless Children - マザーレス・チルドレン
2 Give Me Strength - ギヴ・ミー・ストレングス
3 Willie and the Hand Jive - ウィリー・アンド・ザ・ハンド・ジャイヴ
4 Get Ready - ゲット・レディ
5 I Shot the Sheriff - アイ・ショット・ザ・シェリフ
6 I Can't Hold Out - アイ・キャント・ホールド・アウト
7 Please Be With Me - プリーズ・ビー・ウィズ・ミー
8 Let it Grow - レット・イット・グロウ
9 Steady Rollin' Man - ステディ・ローリン・マン
10 Mainline Florida - メインライン・フロリダ
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エリック・クラプトンは今や押しも押されぬ大御書中の大御所、クリーム、デレク・アンド・ザ・
ドミノス、ロックの歴史に名を残すスーパー・グループに名を連ねてきた
しかし、その一方で常にその名声のプレッシャーと闘っていた
このアルバムは、あの歴史的名盤" いとしのレイラ "以来初となるスタジオ録音だが、その間3年ほどの
ブランクがあり、麻薬に溺れたとか、精神的に追い込まれていたとか、いろいろな噂も流れた
そんな彼をカムバックさせるために、色々なミュージシャンが彼を励まし、コンサートまで開き、そして
彼はその期待に応え、見事カムバックを果たした…その第1弾がこのアルバムである
デレク&ドミノスの時にアメリカ南部の音楽に触発された" イングリッシュ・マン "はフロリダで録音した
そのせいかは知らないが、全10曲とても明るくリラックスしていて回復ぶりをアピールするには充分の
アルバムになった
当時の彼の気持ちがそのまま歌になったような" ギヴ・ミー・ストレングス "、後にちょっとトラブルに
なったがボブ・マーリー、そしてレゲエが全世界に知れ渡るキッカケになったといってもいい
" アイ・ショット・ザ・シェリフ "
充実した楽曲と異常なほどの緊張感がみなぎっていたデレク&ドミノスの次の作品にあたるが、それに
反比例するかのようなリラックスした雰囲気の演奏が聴かれる
しかしながら曲はかなり良い曲が揃っているし、テンションの高い演奏を求めると少々違うが、演奏
そのものもよく、アルバムの出来も文句のつけようもない代表作のひとつといえるものに仕上がっている
テクニックを誇示するような派手な即興プレイはないが、気負うことなくヴォーカルをとる姿は
クラプトンがバンドのギタリストから、ソロ・アーティストへと変貌を遂げたことを感じさせる
全体的にリラックスした雰囲気を感じるアルバムだが" ゲット・レディ "や" アイ・キャント・ホールド・
アウト "など、良い意味での緊張感も漂っている
このアルバムは、ブルージーでドラマティックなギター・ソロや渋い歌があるわけではないが、本調子
ではないクラプトンと彼を支える仲間たちの醸し出す雰囲気が明るくアットホームでいい
クラプトンは録音にあたり持ち曲は2曲しか準備していなかったらしく、残りは参加メンバーとジャム
セッションで作られていった
派手な楽曲すらないが、1曲1曲がとても印象に残り、女性バック・ヴォーカルには癒やされ、エリック・
クラプトンのイメージを決定的に変えた
もちろん、これを最高傑作と捉える人が数多い最高の作品である
技術的なことはもちろん曲が落ち着いて聴きやすく、しかも素晴らしい
それはもちろん彼の技術の裏付けでもあるが、音楽家としてのクラプトンのセンスを強烈に感じさせる
それは、このリズム・センスにあると思う
初めてエリック・クラプトンを聴く人、弾きまくりなエリック・クラプトンに抵抗がある人には最高に
あ勧めである…技術目当てでも損はしないが