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Ultimate Music Album - 極 -


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The Moody Blues - Every Good Boy Deserves Favour:童夢 -

The Moody Bluesが1971年にリリースした7作目
全英アルバム・チャートのトップを飾った大傑作

 

かのジミー・ペイジの" プログレッシブ・ロックは、ピンク・フロイドムーディー・ブルースだけ "

とのコメントが宣伝されて、プログレの括りで扱われることが多いが、本作も最初にこそ派手なSEが

使われているものの、一聴すると70年代の良質な英国ロック然とした作品で、後年パトリック・モラーツ

を加え、やれ延命だ、やれポップスだ、やれ昔の志はどうしたと避難する人もいるが、変節をいうなら

このあたりからのような気がする

ただ" ディズ・オブ・フューチャー・パスト "でオーケストラと共演して、それが世間の耳目を集め

2作目ではメロトロンを導入することで前作を踏襲し、その完成形が" 夢幻 "で先のジミー・ペイジ

発言になり、ここで一区切りというのが個人的な解釈なので、変節といえば変節かもしれないが

そもそも" ディズ・オブ… "の企画自体がお仕着せで、もとを正せばブリティッシュ・インベンションの

流れをくむR&Bのバンドだったりするわけなので、ある意味プログレ然としていた時期がむしろ例外的な

ような気もする

 

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§ Recorded Music §
1 Prosession - プロセッション
2 The Story in Your Eyes - ストーリー・イン・ユア・アイズ
3 Our Guessing Game - ゲッシング・ゲーム
4 Emily's Song - エミリーの歌
5 After You Came - アフター・ユー・ケイム
6 One More Time to Live - 生命をもう一度
7 Nice to Be Here - ナイス・トゥ・ビー・ヒア
8 You Can Never Go Home - 家へ帰れない
9 My Song - マイ・ソング

§ Band Member §
Justin Hayward - ジャスティン・ヘイワード( Vo,G )
John Lodge - ジョン・ロッジ( B )
Ray Thomas - レイ・トーマス( Flt,Tamb )
Graeme Edge - グレアム・エッジ( Ds )
Mike Pinder - マイク・ピンダー( Key )

 

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1967年にリリースのアルバム" ディズ・オブ・フューチャー・パスト "は1日の始まりと終りを一生に

例えたテーマにクラシックとロックを融合したコンセプトで、シングルの" サテンの夜 "とともに

ヒットし注目されるようになった

1970年代になるとムーグ・シンセサイザーも使用して、シンフォニック・ロックを展開しこのアルバムで

日本でも知られるようになった

クラシックとロックの融合はほかのロック・バンドもやっていたが、1969年に入ってからがほとんどで

一足早く彼らは行っていた

そういった意味でプログレッシブだったといえるし、もうひとつがコンセプト・アルバムという点で

アルバム全体でひとつのテーマを表現するっていうのは、当時はビートルズぐらいしかやっていなかった

ので画期的だった

 

 

 

 

Emily's Song

Emily's Song

  • provided courtesy of iTunes
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総じて全体が統一されていて、雰囲気的にはプログレの範疇に括れる1枚ではあるが、ガチガチに

構築したソレとは違い、いい意味で聴くたびに感慨に耽る焦点が違うような不思議さがある

それでいていつ聴いても懐かしい…

オープニングはバンド・メンバー全員の作による" プロセッション "、時空が歪むような音があり、虫の

さえずりあり、儀式めいた息遣いあり、中近東に迷い込んだ雰囲気ありの、文字通りアイディアの結晶

続く" ストーリー・イン・ユア・アイズ "はとにかく疾走感に尽き、陸続きしてディストーション

ギターとホンキートンク風のオルガン連打が痛快である

そして本作ではグレアム・エッジとジョン・ロッジの2人の才能が目立ち、エッジ作で" アフター・ユー・

ケイム "や、ロッジ作の" エミリーの歌 " " 生命をもう一度 "の素晴らしさ、とりわけ" エミリーの歌 "での

夢うつつのような音響、温もりもあふれる歌詞は実に心にしみる

 

間違いなく楽曲は素晴らしいし、メローでわかりやすい上、すべての曲が一定水準以上の完成度を誇る

日本人好みのメロディでコーラスも美しいが、のめりこめなかった原因もそこにある

緊張感あるギター、ベース、怒濤のようなドラムス、聴いたこともないハッとする演奏、テクニック

内に潜む陰りのある難解な歌詞など音楽の本質とは別の側面で、プログレの範疇から外れていた

ギター、ベース、キーボード、ドラムスの各パートの技術にこだわりがなく、激しい曲よりゆったりした

メロディ重視の曲を好まれる人には打って付けである

何やら意味ありげなイントロから、曲が始まると軽やかなロック調になり、ブルージーなロック風

ギターがやや無骨な感じもするが、歌メロはキャッチーでメロトロンは美しい

ただ初期にあった薄暗さが消えているので、それが好きな人には傑作とは思えないかもしれない