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Ultimate Music Album - 極 -


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SANTANA - ABRAXAS:天の守護神 -

待望であった" SANTANA "のセカンド・アルバム
そして" SANTANA "の爆発的な人気

 

このアルバムは文字通り待ち望まれたアルバムであった

デビュー・アルバム" サンタナ "を出したとき、それはすでに待ち望まれたアルバムだった

というのは、その時点で彼らはサンフランシスコでは有名なグループだったからである

ロスアンゼルスのディスク・ジョッキーの言葉" 私のもっとも好きなグループは、1枚のレコードも出して

いないので、お聴かせできない "この言葉が端的に表しているとおり、サンタナの場合はステージでの

人気がレコードより先行していたので、彼らのファースト・アルバムは発売されたとたんにワーッとばか

り売れに売れたのだった

このデビュー・アルバム発売後もサンタナの人気は上昇の一途をたどった

 

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§ Recorded Music §
1 Singing Winds,Crying Beasts - 風は歌い、野獣は叫ぶ
2 Black Magic Woman / Gypsy Queen - ブラック・マジック・ウーマン/ジプシー・クィーン
3 Oye Como Va - 僕のリズムを聞いとくれ
4 Incident at Neshabur - ネシャブールのできごと
5 Se a Cabo - 全ては終わりぬ
6 Mather's Daughter - マザーズ・ドーター
7 Samba Pa Ti - 君に捧げるサンバ
8 Hope You're Feeling Better - ホープ・ユアー・フィーリング・ベター
9 El Nicoya - エル・ニコヤ

§ Band Member §
Carlos Santana - カルロス・サンタナ( G )
Gregg Rolie - グレッグ・ローリー( Vo,Key )
David Brown - デヴィッド・ブラウン( B )
Micheal Shrieve - マイケル・シュリーヴ( Ds )
Jose 'Chepito' Areas - ホセ・チェピート・アリアス( Per )
Micheal Carabello - マイケル・カラベロ( Per )

  

天の守護神(期間生産限定盤)

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サンタナの人気はウエスト・コーストだけでなく、アメリカ全土、そして日本でもサンタナの人気は

たいしたものであった

日本の場合、特に映画" ウッドストック "が、それまでジワジワ盛り上がっていたサンタナの人気にパッと

火をつけて燃えあがらせた

そのような情勢からすると、デビュー・アルバムから1年の間をおいて発表されたこの" 天の守護神 "に

大向うから" 待ってました "の声がかかるのは、当然すぎるほど当然のことであった

そして、このセカンド・アルバム" 天の守護神 "の発売が" タイム "の記事になるほどのニュース・バリュ

ーを持っていることもスゴイことであった

この" 天の守護神 "はファースト・アルバム以上に売れるだろうことは疑いもしなかった

 





 

このアルバムでサンタナがニューヨーク派の中心人物プエンテの" 僕のリズムを聞いとくれ "をやっている

のは興味深く、ファーストのときよりもラテン的要素を強めているように思える

ことに前半は、ラテン・ロックといっても、ほとんどラテン・ビートが中心に据えられロックの方は

ほんの味つけとして加えられている程度でしかないようにさえ感じられる

" ブラック・マジック・・・ "は、フリートウッド・マックピーター・グリーンの作品で、フリート

ウッドも重々しいラテン風のビートで演奏していた曲だが、サンタナはガラリと印象を変えた

そしてジャズ・ギタリストのガボール・サボの" ジプシー・クィーン "へとメドレーされていきサンタナ

しては意外な題材をとりあげた

" ネシャブールのできごと "はアルベルト・ヒアンキントとカルロスが合作した曲で、ヒアキントがゲスト

プレーヤーとしてピアノを弾いている、" 君に捧げるサンバ "はちょうど半分くらい演奏したところで

だんだんサンバに変わる、カルロスの曲でメロディが魅力的だ

 

" ABRAXAS "古代ギリシャの神様で、頭がニワトリまたはライオン、体が人間、足がヘビという恐ろしい

姿をしている365の天界を支配する偉い神様である

ジャケットはヘルマン・ヘッセの代表作『 デミアン 』の一節が掲げられている

ヘッセは" 鳥は卵の中から抜け出ようと戦う 卵は世界だ 生まれようと欲するものはするものはひとつの

世界を破壊しなければならない 鳥は神に向かって飛ぶ 神の名は" アブラクサス "という "と書いており

アブラクサスを神と悪魔を兼ねた神、最高の善にして極悪、人であり同時に獣、男であり同時に女、と

いった言葉で呼んでいる

アブラクサスがこのような弁証法的な概念であるとすれば、ラテン・リズムにして同時にロック音楽で

あるサンタナの音楽に" ABRAXAS "のタイトルを使うのはふさわしいかもしれない

どこか『 デミアン 』に出てくるハイタカの頭を持つ猛鳥、つまりアブラクサスを思い起こさせる

このジャケットの絵の異様な迫力は、サンタナの音楽にピッタリのムードを感じさせられた