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Ultimate Music Album - 極 -


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SANTANA - Live at the Fillmore '68:ライヴ・アット・フィルモア'68 -

オリジナル・メンバーになる前の
しかもヒット曲のあるSANTANAの起源

 

1968年12月末の4日間、ロックの殿堂フィルモア・ウェストで行われたコンサートでのベスト・テイクを

集めたライヴ盤で、演奏テクニックが想像以上に優れていたことに感心する

翌年発表されるファースト・アルバムを構成するいわゆるオリジナル・メンバーはカルロス・サンタナ

グレッグ・ローリー、デヴィッド・ブラウンだけだが、2人のパーカッションの熱演も素晴らしい

この後に加わるマイケル・シュリーヴ、ホセ・チェピート・アリアス、マイケル・カラベロと比べても

遜色なく、時代の空気が満載の演奏はクールで熱い

1曲の演奏時間が長いのもアドリブ演奏が主だった当時の音楽界の特徴が出ていて、録音もさすがに

フィルモアらしく素晴らしく、9ヶ月前にはあの" クリームの素晴らしき世界 "なんかが録音されている

のと同様のライヴ感である

サンタナ・ファンにはもちろんだが" スーパー・セッション "あたりが好きな人にもお勧めできる

 

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§ Recorded Music DiscⅠ §
1 Jingo - ジンゴー
2 Persuasion - パースエイジョン
3 Treat - トリート
4 Chunk a Funk - チャンク・ア・ファンク
5 Fried Nockbones and Some Homefries - フライド・ネックボーンズ
6 Conquistadore Rides Again - コンキスタドーレ・ライズ・アゲイン

§ Recorded Music DiscⅡ §
1 Soul Sacrifice - ソウル・サクリファイス
2 As the Years Go Passing By - 時は流れて
3 Freeway - フリーウェイ

§ Band Member §
Carlos Santana - カルロス・サンタナ( G )
Gregg Rolie - グレッグ・ローリー( Key,Vo )
David Brown - デヴィッド・ブラウン( B )
Bob 'Doc' Livingstone - ボブ・リヴィンストン( Ds )
Marcus Malone - マルクス・マローン( Per )

 

 

 

 

サンタナ・ミュージックのどちらかといえばパーカッションの方に関心を向けがちだった

天才的なホセ・チェピート・アリアスのティンバルとか、ラテンの大御所アーマンド・ペラザをはじめと

するコンガ、ボンゴの名人たちが作るリズムである

しかしこのアルバムを聴くと、パーカッションというのはカルロス・サンタナグレッグ・ローリー

自分たちのブルース的な音楽表現に大衆の耳を向けさせるための、いわば客寄せのアクセサリーのような

ものだったのはないかと感じさせる

それほどに派手なラテン・パーカッションを取り去った彼らの本質的な音楽は魅力的だ

 

 

As the Years Go Passing By

As the Years Go Passing By

  • provided courtesy of iTunes
 

 

非常に貴重なライヴで、国内メーカーではもちろん類をみないのはファースト・アルバムのオリジナル・

メンバーの参加する前の作品、つまりファースト・アルバムに向けてのライヴ活動記録と評しても過言

ではなく、ただ真なるサンタナ・ファンにしてみては、ウッドストックのあのリズム・セクションに至る

経過がよく分かるのではと思う

今この作品を聴いても現在のサンタナサウンドにあるヒット曲はパワフルであり、今も通ずるパワーは

何なのかという起源をも兼ね備えている

この時代のパーカッションはボンゴ、カウベルの組み立てにしろ、観客の熱いノリと歓声は今のサンタナ

フリークスにはあのころを知る音源のいい作品でもある

もともとブルース・バンドだけにブルージーなテイクもあるがこれもよく、古いライヴでも録音状態が

いいのでコレクターズ・アイテムお勧めである

 

" ジンゴー "とか" ソウル・サクリファイス "は、その後のサンタナのラテン・ロックの定番となるもので

ここではその未完成なるだけに面白さがある

" トリート "はグレッグ・ローリーのジャズ・ブルース調のピアノを基礎に、後半それにカルロス・

サンタナのギターがノッてくる

" チャンク・ア・ファンク "もファンキーなリズムにジャズ手法のオルガンが熱演し、ブルース・ギターが

色を付け、" フライド・ネックボーンズ "は、コンガ、ベース、ドラムスの延々と続くリズムが心地よく

いわゆる当時のクロス・オーバーでフュージョンといっていいだろう

" 時は流れて "はカルロスの泣きのブルース・ギターが堪能できる

こうしてみると、やはりブルース・バンドの色彩が骨格にあって、それを基礎にラテン・ロックを展開

していったことがよく解かるライヴである

 

Live at the Fillmore '68

Live at the Fillmore '68