1984年" Bon Jovi "のデビュー・アルバム
" 夜明けのランナウェイ "は、日本でもカバーされ大ヒット
ボン・ジョヴィ…ちょっと不思議なバンド名だが、これはリーダーのジョン・ボン・ジョヴィの名前から
とられたものだ
例えば" ヴァン・ヘイレン "と同じようなニュアンスだと考えてもらっていいと思う
ボン・ジョヴィの母体はジョン・ボン・ジョヴィとキーボードのデヴィッド・ブライアンが出会った
ことで完成する
その後、レッド・ツェッペリン、ジューダス・プリーストのコピー・バンドに在籍していたベーシストの
アレック・ジョン・サッチが加わり、アレックがジョンにドラマーのティコ・トーレスを紹介した
ティコはフランキー・ブレヴァイト率いるフランキー&ザ・ノックアウトのメンバーだったが、より
§ Recorded Music §
1 Runaway - 夜明けのランナウェイ
2 Rouletto - ルーレット
3 She Don't Know Me - 愛は蜃気楼
4 Shot Through the Heart - ショット・スルー・ザ・ハート
5 Love Lies - ラヴ・ライズ
6 Breakout - ブレイクアウト
7 Burning for Love - バーニング・フォー・ラヴ
8 Come Back - カム・バック
9 Get Ready - ゲット・レディ
§ Band Member §
Jon Bon Jovi - ジョン・ボン・ジョヴィ( Vo )
David Bryan - デヴィッド・ブライアン( Key )
Alec John Such - アレック・ジョン・サッチ( B )
Tico Torres - ティコ・トーレス( Ds )
Richie Sambora - リッチー・サンボラ( G,Vo )
バンドに最後に加入したギタリストのリッチー・サンボラ、彼の場合はちょっとユニークな加入方法を
とっている
ボン・ジョヴィがラジオ局で主催したコンサートに出演していたとき、観客のひとりリッチーがステージ
にかつかつ歩いていき" 俺がこのバンドのギタリストになってやる "と叫んだという
ボン・ジョヴィの連中は笑いながら楽屋に引き上げたのだが、後日彼のプレイを観てビックリ、恐ろしい
ほどのテクニシャンで、急遽リッチーにコンタクトをとって参加を要請したという
こうしてボン・ジョヴィは4人目のメンバーを迎えてグループを始動させた
ジョン・ボン・ジョヴィはこのメンバー構成になる前に" 夜明けのランナウェイ "をすでにレコーディング
していた( 1982年 )
ジョン以下、ティム・ヒアーズ(G)、ロイ・ビックタン(key)、フランキー・ラロッタ( Ds)、ヒューイ・
マクドナルド(B)というメンバーで、このメンバーはジ・オールスター・レビューと呼ばれていた
このメンバー編成になってから、シングル( 自費出版 )をFM局に送り、デトロイトやミネアポリス、
そのほかで強力なリアクションを得たのだが、この噂をポリグラムが聞きつけてレコーディング契約を
結んだ
このころには、すでにボン・ジョヴィはZZトップのオープニング・アクトとしてマジソン・スクウェアー
ガーデンのステージに立っている
このときシングル・カットされた" 夜明けのランナウェイ "は赤丸50位で急上昇中で、アルバムも新人に
しては異例のスピードでトップ30を狙う位置につけていた
当時、これだけ売れる要素を持った新人・ハード・ロック・バンドは珍しかった
アルバムのトップを飾る" 夜明けのランナウェイ "…この1曲で勝負は決まったも同然である
力強いメロディがあり、リフはヘヴィで、そして何よりキャッチーである
しかも、ごく一般のポップス・ファンにも受け入れられる要素もかなり強かった
ボン・ジョヴィがほかのハード・ロック・バンドと違うのは" 歌を聴かせよう "というポリシーを持って
いることだ
このときのハード・ロック/ヘヴィ・メタルの主流はインストゥルメンタルにポイントをおいた状態で
ヴォーカル・スタイルは絶叫型、つまりヴォーカルが楽器の一部という解釈が全盛で、どのバンドの
ヴォーカリストも画一的という弊害すら出てきていた
その点、ボン・ジョヴィはその逆をいくヴォーカル主導の音創りを狙っていて、しかもハーモニーの
使い方が絶妙でジョンを完璧にサポートしている
特徴( 個性 )のある声を持つジョンも魅力だが、バックのサウンドは実に上手い
キーボードはスリルな展開を作り、また適度にリフは重く、リズムは悪までもシャープ、そして流れる
ような華麗なメロディは" ハッ! "とさせる感性の新しさを秘めていた
全編に新鮮さがみなぎっていて、一曲一曲が独創的でバラエティに富んでいるのも見逃せない
" 夜明けのランナウェイ "の衝撃的なイントロ…イントロで勝負が決まるのが常であるがこのイントロは
完璧だと思う