1981年に発表された" TOTO " " Hydra "に続く
3rdアルバム" Turn Back "
このアルバムは次作" 聖なる剣 "のようなシングル・ヒットが出なかったため、地味な印象を持たれたり
厳しい評論家からは失敗作というレッテルを貼られてしまうアルバムだが、" ハイドラ "や" 聖なる剣 "
と比べても見劣りしない優れた作品だと思う
プログレ・ハード的で" ハイドラ "に比べると正統派ハード・ロック路線に近いというか、スティーヴ
ルカサーのギターを前面に押し出していて、スティーヴ・ルカサー色の濃い作品になっている
§ Recorded Music §
1 Gift with a Golden Gun - ギフト・ウィズ・ア・ゴールデン・ガン
2 English Eyes - イングリッシュ・アイズ
3 Live for Today - リヴ・フォー・トゥディ
4 A Million Miles Away - ミリオン・マイルズ・アウェイ
5 Goodbye Elenore - グッドバイ・エリノア
6 I Think I Could Stand You Forever - スタンド・ユー・フォーエヴァー
7 Turn Back - ターン・バック
8 If It's the Last Night - ラスト・ナイト
§ Band Member §
Bobby Kimball - ボビー・キンボール( Vo )
Steve Lukather - スティーヴ・ルカサー( G,Vo )
David Hungate - デヴィッド・ハンゲイト( B )
David Paich - デヴィッド・ペイチ( Vo,Key )
Steve Porcaro - スティーヴ・ポーカロ( Vo,Key )
Jeff Porcaro - ジェフ・ポーカロ( Ds )
手抜きのようで" へのへのもへじ "にも見えるようなアルバム・ジャケットだが" 宇宙の騎士 "では多彩な
サウンド、" ハイドラ "ではプログレッシブでヘヴィなロックを聴かせたTOTOだが、この" ターン・
バック "ではシンプルなロック・アルバムに仕上がっている
" ギフト・ウィズ・ア・ゴールデン・ガン "のサビのコーラスや、メロディアスで美しい" ミリオン・
マイルズ・アウェイ "、澄み切ったアコースティック・パートからハード・ロック・パートへと大きな
展開をみせる" スタンド・ユー・フォーエヴァー "、そして本作のハイライトであるキーボードのキラキラ
した音とリフがダイナミックな名曲" ターン・バック "、最後はしっとりと" ラスト・ナイト "で締め括る
ダイナミックな曲が並ぶ中にも繊細な部分をしっかりと併せ持つアルバムとなっている
" 聖なる剣 "ほどポップではないが、その分エネルギッシュなハード・ロックが聴けるので、好きな人は
気にいると思う…特にスティーヴ・ルカサーファンには
これまでは、デヴィッド・ペイチがほとんどの曲を作っていたが、このアルバムからはスティーヴ・
ルカサーとボビー・キンボールなどが数曲書いたりと、スペース・ファンタジックなコンセプト・
アルバム的な前作から、ソリッドなロック・アルバムにシフトしている
とはいっても、前作までのプログレやジャズの要素はこのアルバムでも生きているし、ライヴを意識した
ただのロック・アルバムではない
このアルバムが発売された80年代初頭はヘヴィ・メタル・ブームもあって、アメリカではエディ・
ヴァン・ヘイレンがスーパーギタリストとして注目されていたので、スティーヴ・ルカサーとしては
ライバルの意識も強く、ヘヴィなサウンドに挑戦したのかもしれない
特に" グッドバイ・エリノア "ではアームを多用するなど" 俺はハード・ロック系のギタリストにも
負けないぞ "とスティーヴ・ルカサーの自己主張が伝わってくるし、ドラマーのジェフ・ポーカロの
ドラミングも洗練されたセンスは感じられるものの、前作までとは違ってパワフルでラフなプレイに
徹している
優等生が不良ぶっているような…ちょっと違和感のあるハード・ロックになっている