H.S.A.S. - Through the Fire：炎の饗宴 -

1984年発表のスパー・バンド・アルバム
" Through the Fire - 炎の饗宴 - "

サミー・ヘイガー、ニール・ショーン、ケニー・アーロンソン、マイケル・シュリーヴというアメリカン・

ロック・ミュージシャン4人が、ヘイガー( H )、ショーン( S )、アーロンソン（ A )、シュリーヴ( S )

H.S.A.S.名義で1984年に発表したアルバムである

当時・サミー・ヘイガーがソロ名義で契約していたゲフィン・レコードからの発表であった

§ Recorded Music §
1 Top of the Rock - トップ・オブ・ザ・ロック
2 Missing You - 忘れじの面影
3 Animation - アニメーション
4 Vally of the Kings - 王家の谷
5 Giza - 遥かなるギザ
6 A Whiter Shade of Pale - 青い影
7 Hot and Dirty - ホット・アンド・ダーティ
8 He Will Understand - ヒー・ウィル・アンダースタンド
9 My Home Town - マイ・ホーム・タウン

§ Band Member §
Sammy Hager - サミ・ヘイガー（ Vo,G ）
Neal Schon - ニール・ショーン（ G ）
Kenny Aaronson - ケニー・アーロンソン（ B ）
Michael Shrieve - マイケル・シュリーヴ（ Ds ）

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レコーディングは、1983年11月9日から11月21日にかけてライヴ録音が行われ、12月にオーバー・ダビング

を施して制作された" これぞパワフル・ハード・ロック "といった名盤になっている

" 忘れじの面影 "はイントロを聴いただけで曲の良さがわかってくるし、ギター・ソロはニール・ショーン

らしいハードなソロ、" 王家の谷 " " 遙かなるギザ " " アニメーション "などの曲作りは、彼らが只者でない

ことを証明している

また、プロコム・ハルムの" 青い影 "がシングルとして発表されたが、サミー・ヘイガーもしっとり歌って

いて、オリジナルは叙情的なハモンド・オルガンの音色に対して、ニール・ショーンのギターも大変

美しく印象的な曲になっている

 

このアルバムのあとにサミー・ヘイガーはヴァン・ヘイレンに加入するが、加入以前からアメリカ最高の

ロック・シンガーのひとりでヴァン・ヘイレンに加入しなかったにしても、最強のロッカーであることに

変わりはなかったが、ディープ・パープル、クリームといった歴史あるバンドというのは、シンガーが

凄いとか、テクニックが凄いだけでは生まれない

ヴォーカリスト、ベーシスト、ギタリスト、ドラマー、コーラスすべてが単に上手いだけでなく強烈な

自己主張を持ちながら、その爆発的なカオスがうまく絡み合った瞬間にスーパー・バンドになる

サミー・ヘイガーはデビュー当時からロニー・モントローズという一流のギタリストを知っている

わけだが、ソロになってから凄いメンバーと安定的に組めるチャンスがなかった

ヴォーカルだけ凄くても成功は難しい…

実力・人気ともありながら一歩惜しいサミー・ヘイガーを後押ししようと、奇跡的にこの時期暇だった

超一流プレイヤーを見つけて組ませたというのがこのアルバムである

結果的にこの作品以後、ヴァン・ヘイレンという良質なバンドと組むことになる

ニール・ショーンに至ってはジャーニーとしての縛りがなく、本来のプレイを満喫することができる

全盛期のサンタナに加入し、若くして天才ギタリストといわれロック世代のカリスマ的存在だったサンタナ

のニール・ショーンの印象が強い世代の人には特にお勧めだ

マイケル・シュリーヴも、ウッドストックでサンタナのギターとドラムでバトルを繰り広げていた

ビリー・スクワイアのバンドでベースを担当していたケニー・アーロンソンと、普段は各自の活動で

忙しくて組めるわけないので、まさに偶然のタイミングだったろう

このバンド・メンバーでアルバム1枚はもったいない気もするが、そこがまたアメリカ

サミー・ヘイガーにニール・ショーン、両者のファンなら一聴して損はなく、この2人がノリノリで演奏

しているイメージそのままのできになっている

もうひとつ、このアルバムを語る上で外すことのできないのは、サミー・ヘイガーのTシャツに書かれて

いる" 寿司さしみ "だろう…

炎の饗宴