1982年結成、ノルウェー出身の3人組バンドa-haの
デビュー作" Hunting High and Low "
初期のデペッシュ・モードやロータス・イータスに似た歌メロディ志向のシンセ・ポップ
モートン・ハルケットのファルセット・ヴォイスをフィーチャーした透明感あふれるアコースティック
な音、プロデュースはトニー・マンスフィールドほかで、シングルとなった" テイク・オン・ミー "は
鉛筆スケッチ風のロストスコープ・アニメーションと実写を合成した斬新なミュージック・ヴィデオ
( スティーヴ・バロン監督 )とともに世界的なヒットとなった
2011年に活動を終了したアーハだが、モートン・ハルケットの澄んだ歌声と当時の思い出がそのままに
詰まっていて、懐かしいような、ほろ苦いような感覚を思い出す
§ Recorded Music §
1 Take on Me - テイク・オン・ミー
2 Train of Thought - ストレンジャー・トレイン
3 Hunting High and Low - ハンティング・ハイ・アンド・ロウ
4 The Blue Sky - ザ・ブルー・スカイ
5 Living a Boy's Adventure Tale - ボーイズ・アドヴェンチャー
6 The Sun Always Shines on T.V. - シャイン・オン・TV
7 And You Tell Me - アンド・ユウー・テル・ミー
8 Love is Reason - ラヴ・イズ・リーズン
9 I Dream Myself Alive - ドリーム・マイセルフ・アライヴ
10 Here I Stand and Face the Rain - フェイス・ザ・レイン
§ Band Member §
Morten Harket - モートン・ハルケット( Vo )
Magne Furuholmen - マグネ・フルホルメン( Key,G )
Pal Waaktaar-Savoy - ポール・ワークター=サヴォイ( G )
1983年にイギリスへ渡り、1984年に" テイク・オン・ミー "でデビュー
トニー・マンスフィールドのプロデュースによるこのファースト・ヴァージョンは、母国ノルウェーで
3位を記録するヒットになったものの、国際的なマーケットでは注目されなかった
翌1985年、アラン・ターニーによってアレンジし直され再びリリースした" テイク・オン・ミー "は
全米1位、全英2位の大ヒットを記録する
ビルボード誌では1985年10月19日に週間ランキング1位を獲得、1985年ビルボード年間ランキングでは
17位にランク・インし全世界的なヒットとなった
MTVが主流だったこの時期、アーハのプロモーション・ヴィデオは群を抜いて素晴らしいものだった
軽快なポップ・ナンバーの魅力とともに大注目され、シングルはチャートを駆け上がり、そして待望の
このアルバムのリリース
期待を裏切らない良質なポップ・アルバムで、作り手側の作品制作に対する誠実さも現れていてとても
丁寧な仕上がりになっている
上述、大ヒット曲" テイク・オン・ミー "をオープニングに、シングル・カットされた" ストレンジャー・
トレイン "、ミステリアスな雰囲気をまとうクールなナンバーで、今後ロック色を強めていく彼らの
作品の流れを予感させる曲である
アルバム・タイトル曲" ハンティング・ハイ・アンド・ロウ "もシングル・カットされた
" シャイン・オン・TV "は" テイク・オン・ミー "の対をはる曲で、このアルバムのもう1つのハイライトで
プロモーション・ビデオも続編ぽいなようである…イギリスではこの曲が1位となった
" ドリーム・マイセルフ・アライヴ "では凝ったアレンジを聴かせ、モダン・ポップなんて今では死語で
あるが、当時はそんな表現がピッタリであった
ラスト・ナンバーの" フェイス・ザ・レイン "は、メロディが印象的でつい聴き入ってしまう不思議な
魅力を持つナンバーである
メロディアスな楽曲ばかりで構成され、ロマンティックな世界に徐々にいざなわれるアルバムである
セカンド・アルバム以降は、まるでファースト・アルバムがなかったかの如くロック・テイストへと
シフト・チェンジしたアーハだが、このファーストが素晴らしかっただけに残念に思ったファンは
多かったと思われる
できることなら、このファースト路線で走っていたらと思うと30年以上経っても輝く、ロマンティックな
デビュー・アルバムである