お洒落なジャケットに都会的で洗練された楽曲の数々
デビュー・アルバムにして名曲満載の名盤
この作品は、ボビー・コールドウェルの最高の作品で、AORのカテゴリー内でも孤高の存在かと思う
あのボブ・スキャッグスをも超えた彼のファースト・アルバム、全曲いつ聴いても色あせない名曲の数々
コレほどまでに飽きさせてくれない作品はそんなにないと思う
彼の声質が好きで特に高音の域がキレイなのでとても爽やか、アメリカでも南国でリゾート地のマイアミ
を彷彿させるリラックスした雰囲気が全般に感じられる
ジャケットにはトレード・マークであるソフト帽をかぶった彼が丘の上のベンチに腰掛けている姿が
シルエット・イラストで描かれていて、その横にはオレンジ色に輝く満月
その後のアルバムは、ほとんどすべて" 月とボビー "のイラストというパターンが踏襲されている
§ Recorded Music §
1 Special to Me - スペシャル・トゥ・ミー
2 My Flame - マイ・フレーム
3 Love Won't Wait - ラヴ・ウォント・ウエイト
4 Can't Say Goodbye - キャント・セイ・グッドバイ
5 Come to Me - カム・トゥ・ミー
6 What You Won't Do for Love - 風のシルエット
7 Kalimba Song - カリンバ・ソング
8 Take Me Back to Then - テイク・ミー・バック・トゥ・ゼン
9 Down for the Third Time - ダウン・フォー・ザ・サード・タイム
AOR云々で語られる前に、ボビー・コールドウェルはどうしてもマイアミ気質を感じてしまう
" スペシャル・トゥ・ミー "なんて、マイアミ・ソウル特有のシャカポコはないものの、ジョージ・
マクレーのロック・ユア・ベイビーのサビと同じような旋律のサビである
そんなほのかなポップ・フレイバーあふれるソウルがいい味だと思うし、メロディのわかりやすさは
そのヴォーカルも含めてスティービー・ワンダーに共通することはよく指摘されるが、どうにもこうにも
あのサウスビーチの華麗で怪しく、そこで見る黄昏の雰囲気にピッタリハマってしょうがない
リトル・バナナの異郷の佇みは、日本の琴線に妙に触れそこが日本で成功を収めた要因と思う
1978年に制作されたこのデビュー作は、夕暮れの海岸通りをドライヴしているかのようなメロウで爽快な
" スペシャル・トゥ・ミー "で幕を開ける
出色は何といっても" 風のシルエット "、クールでジャージーなサウンドと渋いヴォーカル、発表後時間が
経った今でも色褪せない実にスタイリッシュなナンバーである
ボビー・コールドウェル…日本の風土にジャスト・フィットなシンガーともいえる
ソフトでメロウな音像ながら、ボビーはコンポーサーとしてのセンスが素晴らしく、アレンジもこなす
マルチ・プレイヤーで、完全に才能が開花しているわけではないが" 風のシルエット "が多くの音楽家に
カバーされている彼の代表曲である
スムース・ジャズのヴォーカル・ヴァージョンな形式をいち早く組み立てた功績は大きい
上述以外にも気怠くも心地よいスロー" マイ・フレーム "、タバコのCMに起用されたバラードの" カム・
トゥ・ミー "など好曲が多く充実したアルバムの内容になっている
長い間、AORは日本人好みの音楽で本国アメリカではさほど人気はないと思っていたが、90年代後半に
なってそれは間違いだと気づいた
" 風のシルエット "については、ノー・リミットの主催者マスター・Pやルーニーズ、メッカドンから
デビューした女性デュオのサ・デュースなど実に多くヒップ・ホップ系アーティストがサンプリングの
ネタとして取り上げたし" マイ・フレーム "もポートレイトというR&Bバンドがサンプリングしたからだ
このことは、ジャンルや世代をの壁を超えてボビー・コールドウェルの音楽が再評価されていることを
物語っている
オシャレなカフェバーや夜景の見えるドライヴ…そんなシチュエーションがピッタリの夢心気分いっぱい
になれるサウンドである
- アーティスト: Bobby Caldwell
- 出版社/メーカー: Sin-Drome Records
- 発売日: 1991/08/06
- メディア: CD
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