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Ultimate Music Album - 極 -


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King Crimson - Earthbound:アースバウンド -

強烈で凶暴、溢れ出るエナジーも爆発した演奏内容

 

デビュー・アルバム" クリムゾン・キングの宮殿 "発表後、一躍注目の的となったグループはすぐに続けて

セカンド・アルバム" ポセイドンのめざめ "を発表したものの脱退者が相次ぎ、1970年リリースの

3作目" リザード "では、すでにオリジナル・メンバーは作詞やコンセプト作りを担当していたピート・

シンフィールド以外、ロバート・フィリップだけという状況になっていた

キース・ティペットをはじめ多くのゲストによって" リザード "は作られたが、アルバム発表直後に

ヴォーカル&ベースのゴードン・ハスケルが脱退してしまいライヴやツアーを行うことが不可能となった

ライヴによってい生み出される力や想像力に対して特別な敬意を払うフィリップは、改めてライヴ可能な

バンドを再編成することとし、セカンドから参加しているメル・コリンズに加え、イアン・ウォーレス

そしてベースには最初リック・ケンプを予定していたが取りやめたため、ヴォーカルだけのつもりだった

ボズ・バレルに急遽ベースを教え込み、1971年4月からライヴを行うようになった

 

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§ Recorded Music §
1 21st Century Schizoid Man - 21世紀の精神異常者
2 Peoria - ピリオア
3 The Sailors Tale - 船乗りの話
4 Earthbound - アースバウンド
5 Groon - グルーン

§ Band Member §
Robert Fripp - ロバート・フィリップ( G )
Boz Burrell - ボズ・バレル( B,Vo )
Mel Collins - メル・コリンズ( Sax )
Ian Wallace - イアン・ウォーレス( Ds )

 

 

 

 

新体制により" アイランズ "を発表し、1972年2月からアメリカ・ツアーにも出るが、もともとミュージ

シャンとしての資質、求める方向性の違いから新体制は最初からかなり危ういものだった

演奏を重ねるうちに溝はさらに深まり短期間で決裂してしまうが、その分裂への決定的な事件は1972年の

年明けに行われた新作のためのリハーサルで起こった

コリンズの作品をフィリップが拒否したことでコリンズ、バレル、ウォーレスの3人との間で決定的な

対立が起こり、1972年1月の時点ですでに解散が決められるが、アメリカ・ツアーの契約の残りを遂行

するためツアーが2月から始められ、4月1日のアラバマ州バーミングハムのステージを最後にこの

ラインナップは解散となる

 

 

21st Century Schizoid Man

21st Century Schizoid Man

  • provided courtesy of iTunes
 

 

より感情を開放していく音作り、ある意味でロック・ミュージシャンらしい思考が根底にあった3人は

ツアーに帯同していたジョン・メイオールと意気投合して新しいバンド、スネイプを結成する

アルバムの曲はそのアメリカ・ツアーの中から収録されているが、カセットで録られた音源を元にして

おり劣悪な音質で知られる

そこでより鮮明になるのはフィリップとウォーレスやバレルのリズム・セクションが持つ資質の根本的な

違いで、フィリップの求める構築性とインプロヴィゼーションが複雑な絡まり合いを繰り返しながら

変幻多様な音空間を創出するという点では、彼ら2人は明らかにスタイルが合わない

黒っぽいフィーリングで勝手に暴走する3人とフィリップの間の亀裂があからさまにみえる本作は、

当時のバンド内人間関係の険悪さを思い出させる記録だからか、フィリップはずっと嫌っていたと思われ

るが、ほかのメンバーの反対を押し切ってこのカセットの音源をリリースしたのはフィリップだった

 

アルバムの内容は、上述したように" アイランド "制作の布陣( ピート・シンフィールド脱退 )での

ライヴで、フリーキーなインプロヴィゼーションの応酬となっている

メル・コリンズのサックスが緊張感を醸し出していて、この緊張感こそ本作の根源である

本作は" クリムゾン・キングの宮殿 "から" アイランズ "までのキング・クリムゾンの集大成でリリカルな

抒情のファーストから破壊的なクリムゾンまでよくぞ進化したものである

この進化はキング・クリムゾンにとっては必要であったとは歴史が証明している

このアルバムを最後にキング・クリムゾンはバンドの頭脳、ロバート・フィリップだけになってしまう

そして彼は次作でキング・クリムゾンを再構築する

つまりクリムゾンの進化の過程で重要なマイルストーンである本作は、クリムゾンを知る上で通らなけれ

ばならない道なのである

 

Earthbound

Earthbound