メインストリーム・ポップ・ロックに完全シフト
強力な確信犯的フックを持つ曲ばかりが詰め込まれたアルバム
" スポーツ "というタイトル通り、スポーツで汗を掻くような気持ちの良さとちょっぴり汗臭さの漂う
最高のロックン・ロールアルバムで、このアルバムが発表されたのが1983年
MTVに合わせて日本でも爆発的な人気となり、ヒューイ・ルイスのコミカルで男臭さの漂うサウンドは
良きアメリカを感じることができる
今に続くアカペラの流行の発端は、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースにあるのではないかと思っているが
勢いと躍動感にあふれた最高のロック・アルバムであると思う
§ Recorded Music §
1 The Heart of Rock & Roll - ハート・オブ・ロックン・ロール
2 Heart and Soul - ハート・アンド・ソウル
3 Bad is Bad - バッド・イズ・バッド
4 I Want a New Drug - アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ
5 Walking on a Thin Line - ウォーキング・オン・ア・シン・ライン
6 Finally Found a Home - 君のもとへ
7 If This is it ー いつも夢みて
8 You Crack Me Up - ユー・クラック・ミー・アップ
9 Honky Tonk Blues - ホンキー・トンク・ブルース
§ Band Member §
Huey Lewis - ヒューイ・ルイス( Vo )
Mario Cipollina - マリオ・シポリナ( B )
Johnny Colla - ジョニー・コーラ( G,Sax )
Bill Gibson - ビル・ギブソン( Ds )
Chris Hayes - クリス・ヘイズ( G )
Sean Hopper - シーン・ホッパー( Key )
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今聴いてもまったく古臭さを感じさせない驚きのロックン・ロール・アルバム、正統派のロックン・
ロールあり、ポップ・ロックあり、ブルースあり、ファンキー・チューンありとカラフルな全9曲は
捨て曲なしの粒ぞろいで、特に" アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ "は後にレイ・パーカー・Jrが
ゴーストバスターズのテーマでパクったほどのファンキーさとなっている
1983年のリリースだが、この年マイケル・ジャクソンの" スリラー "に次ぐ全米2位の売上は伊達ではない
この後、映画「 バック・トゥー・ザ・フューチャー 」のテーマとなった" パワー・オブ・ラヴ "を含む
" FORE! "のヒットに続くわけだが、アルバムの出来はこの" スポーツ "のほうが格段に上だ
事実、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースで一番売れたアルバムなので…聴いて損はないアルバムである
Huey Lewis And The News - I Want A New Drug (Official Music Video)
Huey Lewis And The News - The Heart Of Rock & Roll (Official Music Video)
Huey Lewis And The News - If This Is It (Official Music Video)
マイケル・ジャクソン、プリンス、マドンナ、シンディ・ローパー、バンドでいえばジャーニーなど
当時の派手なスターたちを押しのけて" アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ " " ハート・オブ・
ロックン・ロール " " いつも夢みて " " ウォーキング・オン・ア・シン・ライン "とこの地味で芋っぽい
しゃがれ声のグループがチャートの常連になったのはビックリだった
1983年~84年にかけてこのアルバムからシングル・カットされたものが次々にヒット・チャートを
駆け上がり、データーマニアの方は調べてもらったら驚くようなヒット曲満載のアルバムで、サウンド
的にはいかにもアメリカっぽい健康さが売りで、50年代の古き良き時代とは違う意味での古き良き
時代を表しているようなアルバムである
レコード・ジャケットのにやけたオッサンがヒューイ・ルイスで、顔つきの印象通り明るく弾けるような
軽快なロック・サウンドに乗せて、ブラック・ミュージックから影響を受けたといわれるソウルフルで
個性的なゴールデン・ヴォイスを聴かせてくれるしテクニックもある
ロックというと、スタイルとして反社会的な部分をウリにするバンドも少なくないが、この" スポーツ "は
安易にそうせず、明るいロックで軟弱なイメージもない
個性が強いのでダメな人はダメかもしれないが、ヒューイ・ルイス自身は80年代のヒット連発という
偉業に対して" 自分は詐欺師みたいなもの "とか" 音楽はミューズからの贈り物 "とか謙遜しているが
ホントにまぐれと考えるか、前作の" ビリーヴ・イン・ラヴ "や後の" パワー・オブ・ラヴ "といった
ヒットが実力を示すものなのかは、皆さんの想像に任せます