日本でのデビュー作…当時始めてみた人の衝撃は凄かったろう
あのルックスで至極キャッチーなRockを奏でている
キッスのサード・アルバムにして本邦デビュー・アルバム、そして米国においても成功のきっかけを
作ったアルバムで、すなわち" ロックンロール・オール・ナイト "がデトロイトで売れ始めたとの一報を
受けたキッスはツアーをキャンセル、急遽デトロイトに飛びコンサートを敢行、録られたライヴが
" 地獄の狂獣 "というわけである
もちろん、次作のトップ" デトロイト・ロック・シティ "は自分たちにチャンスを与えてくれたデトロイト
のファンに感謝を込めた曲であるのはいうまでもない
また、そのほかの曲も" ロック・ボトム " " 激しい愛を " " 彼女 " " ルーム・サーヴィス "など初期の
キッスの代表曲がズラリと収録されている
§ Recorded Music §
1 Room Service - ルーム・サーヴィス
2 Two Timer - トゥー・タイマー
3 Ladies in Waiting - レディス・イン・ウェイティング
4 Get Away - ゲット・アウェイ
5 Rock Bottom - ロック・ボトム
6 C'mon and Love Me - 激しい愛を
7 Anything for My Baby - あの娘のために
8 She - 彼女
9 Love Her All I Can - すべての愛を
9 Rock and Roll All Nite - ロックンロール・オール・ナイト
§ Band Member §
Paul Stanley - ポール・スタンレー( Vo,G )
Ace Frehley - エース・フレイリー( G )
Gene Simmons - ジーン・シモンズ( Vo,B )
Peter Criss - ピーター・クリス( Ds )
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ご存知" ロックンロール・オール・ナイト "を生んだ初期の名盤、初めて聴いたときはなんか急いで
作ったような感じがした
諸文献によると当時はバンドもカサブランカも厳しい状況だったみたいだ
キッスといえば、この後リリースされる3枚のヒット作だが、このアルバムも非常に出来が良くファン
から愛されるアルバムである
ライヴでは盛り上がること必至の激しいリフを主体としながらもポップなメロディの曲ばかり集め
られていて、代表曲が収録されている
メジャーなバンドになる手前のアンダーグラウンドのキッスはとても格好いい
このアルバムはピーター・クリス以外の3人が曲を作っているが、いわれないと誰が作ったかわからない
作風がみんな似ているのだが、そこがキッスのいいところでもある
Kiss - Rock And Roll All Nite - Rocks Vegas
奇抜なルックス故に音楽的に異端児にされがちだったキッスであるが長期に渡り埋没せずコンスタントに
ヒットを出してきた実力はヒット曲だけに留まらず、アルバム全体からもうかがえる
" 地獄への接吻 "もそんな1枚である
全体的にはアコースティックなインストゥルメンタルを挟んでハード・ロック・アルバムらしく
ガンガン押してくるテンポの速さが特徴だが、上手いと思うのはそれが一本調子になって退屈にならない
ことだ…個々の曲が生きているのでテンションが途切れない
前半4曲のノリの良さを始め、もちろん最終曲" ロックンロール・オール・ナイト "の出来はいわずもがな
お馴染みのサビでは思わず一緒に歌い出したくなること請け合いだ
前作" 地獄のさけび "がセールス的に振るわず、レコード会社からの支持で急遽作らされたアルバムだ
上記のような事情があったため曲の練りは1stなどと比べるといささか弱い感は否めない
ストレートでキャッチーなロックン・ロールは相変わらずだが、印象に残る曲はあまり多くないような…
その中で光るのがラストに収められた" ロックンロール・オール・ナイト "の存在、45年以上経た今でも
必ずライヴの最後にプレイされるこのパーティ・ソングは、一度聴いただけで忘れられなくなるキッスの
メロディ作りが一番良い形で表現された名曲である
このアルバムのツアーで局地的に人気が高まっていたデトロイトを訪れたことからキッスの伝説は始まる