Deliver Great Music

Ultimate Music Album - 極 -


== Sponsord Link ==


The Velvet Underground - White Light / White Heat:ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート -

Lou ReedJohn Caleの個性が火花を散らす攻撃的な作品

 

ルー・リードジョン・ケイルスターリング・モリソン、モーリン・タッカーからなるニューヨークの

伝説的ロック・バンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが1968年に発表したセカンド・アルバムで

アンディ・ウォーホルとニコとの関係を断ち、実質的なオリジナル・メンバーによる最高作といえる

実験的で芸術的なロックでパンクの原型となる衝動で、歌詞は過激であぶない

現代音楽やミニマル・ミュージックの影響を受けているジョン・ケイルの優れた演出力に、まさに

一本気なロックそのものでありながら、我が強すぎてどこか一味違うノイジーな脅威となるルー・リード

のぶつかり合いが最高であるが、あまりの衝突っぷりによってジョン・ケイルはここで脱退してしまう

 

f:id:freedom126:20220128094438j:plain

§ Recorded Music §
1 White Light / White Heat - ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート
2 The Gift - ザ・ギフト
3 Lady Godiva's Operation - レディ・ゴダイヴァズ・オペレイション
4 Here She Comes Now - ヒア・シー・カムズ・ナウ
5 I Heard Her Call My Name - アイ・ハード・ハー・コール・マイ・ネーム
6 Sister Ray - シスター・レイ

§ Band Member §
Lou Reed - ルー・リード( Vo,G,Pia )
John Cale - ジョン・ケイル( Electric Viola,Key,B )
Sterling Morrison - スターリング・モリソン( G,B )
Maureen Tucker - モーリン・タッカー( Ds )

 


 

 

 

絶対に新しくて凄いことをやっているのにまったく評価されないというフラストレーションがルー・

リードとジョン・ケイルの決別に結びつき、本作発表後ジョン・ケイルルー・リードに追い出される

訳だが、そんな崩壊直前の緊張感が混沌としたインプロがギリギリのところで楽曲として成立している

壮絶な集中力と相まって、素晴らしい殺気を発している

たった6曲しか入っていないアルバムだが、これ以上曲数が多いと演っている本人たちも聴く側も体力が

持たないのだが、そのくせ街を歩きながらバック・ミュージックとして聴き流すことも可能だという

不思議な作品でもある

一見真っ黒のジャケットは、アンディ・ウォーホルのファクトリーにいたビリー・ネームによる写真

作品で、バイカーの刺青( ドクロ )が左下に薄っすらと写っている

 

 

 

 

 

Listen on Apple Music
App Icon Apple Music

 

このアルバムは文字通りロックの奇蹟、現代音楽上がりのイギリス人ジョン・ケイルと、大胆不敵で

繊細な文学青年ルー・リードとのガチンコバトルが体験できる彼ら唯一の作品にして、ロックのたどり

着いた終着駅のような作品で、本当のロックとは、創造的混沌の世界( =カオス )である

現代音楽のミニマリズムR&Bが際どく交差した" シスター・レイ "は最高のロックの名曲でドアーズの

" ジ・エンド "や" 音楽が終わったら "スーサイドの1枚目同様、稀有な体験性を持った作品である

ルー・リードの八方破れに乱れ散るギターがナイーブに美しい" アイ・ハード・ハー・コール・マイ・

ネーム "、延々と壊れながら繰り返されるリフが印象的な" ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート "と

本物のロック…サイケデリックでもヘヴィ・メタルでもプログレッシブでもない、名付けようのない

ものは今もこの作品の中にある

 

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの持つ奇形性、攻撃性、邪悪さ、まさにアンダーグラウンド

的な要素を詰め込んだアルバムで、録音状態の劣悪さが独特の感触を出していてたまらない

変な表現だが" 悪魔 "がバンドを組んだら、こんな音を出すんじゃないかと思ってしまう

やたらと" 悪魔 " " 黒魔術 "などを持ち出すハード・ロックヘヴィ・メタルよりも、よっぽどこの

アルバムのほうが邪悪で攻撃的、ガーガー、ピーピーと音を出してのルー・リードジョン・ケイル

ぶつかり合いが素晴らしい…好き嫌いが激しく分かれると思うが

これを最後に正式な形としては" ソングス・フォー・ドレラ "まで2人の共演は聴けない

あえていうとこの作品の凄さ( 価値、魅力 )は、ロックン・ロールという危険この上ない音楽の地獄、

非予定調和的な、果てような異世界を体験させてくれるということである