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Ultimate Music Album - 極 -


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Steve Hackett - Voyage of the Acolyte:ヴォヤージ・オブ・ジ・アカライト( 侍祭の旅 )

Genesis在籍時に制作、リリースされた1975年のソロ・アルバム

 

ピーター・ガブリエルの存在の絶対化、バンドのシンフォニック化、大音量化の割りを食った形で沈黙を

余儀なくされていたスティーヴ・ハケットのファースト・ソロ・アルバムで、フィル・コリンズ

マイケル・ラザフォードは参加しているが、当時の改革派のトニー・バンクスは参加していないことが

象徴的である

内容は" 月影の騎士 "からピーター・ガブリエルが気に入らなかったテイクを集めて、なおかつそれらを

一途に展開したようなもので、たぶん" 月影信者 "の中でも好悪が分かれるだろう

当時在籍中ということもあり、演奏と楽曲の作り込みの面での底の薄さはみられるものの、裏を返せば

バンドと掛け持ちでここまでの作品を作ってしまったスティーヴ・ハケットの力量と執念には敬服せざる

を得ない

 

§ Recorded Music §
1 Ace of Wands - エース・オブ・ワンズ
2 Hands of the Priestess,PartⅠ - ハンズ・オブ・ザ・プリーステス( パート1 )
3 A Tower Struck Down - ア・タワー・ストラック・ダウン
4 Hands of the Priestess,PartⅡ - ハンズ・オブ・ザ・プリーステス( パート2 )
5 The Hermit - ザ・ハーミット
6 Star of Sirius - スター・オブ・シリウス
7 The Lovers - ザ・ラヴァーズ
8 Shadow of the Hierophant - シャドウ・オブ・ザ・ハイアラファント

§ Personnel §
Steve Hackett - スティーヴ・ハケット( G )
John Hackett - ジョン・ハケット( Flu,ART Syn,Bell )
Mike Rutheford - マイケル・ラザフォード( B )
Percy Jones - パーシー・ジョーンズ( B )
Phill Collins - フィル・コリンズ( Ds )
Sally Oldfield - サリー・オールドフィールド( Vo )…etc

 


 

 

 

ちょうどジェネシスは" 幻惑のブロードウェイ "という最高傑作とも問題作ともいえる作品を制作していて

彼の持ついかにもプログレ、いかにもジェネシスというよりも、ジェネシスそのもののサウンド

ピーターの世界とはズレていたことを伺わせる

この作品は完全にジェネシスそのものといい切ってしまうと若干ずれるが、おおよそ彼がイメージする

ジェネシスが提示されていると思う

繊細で美しく、ファンタジックでドラマティックな音絵巻、プログレ好きでこの作品を外す人など存在

しないとは思うが、本家をも凌ぐ名作であると断言できる

彼こそがジェネシスの様式美を受け継ぐ伝承者であり、保守的な美意識を極限まで発揮したのが

この名作である

 

 

 

 

 

Shadow of the Hierophant

Shadow of the Hierophant

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とにかく細部にわたるまでのアレンジ、メインとバックの音の絡ませ方が丁寧で、かつ気品にあふれた

作風を隅々までいきわたらせている…これぞ" 音楽の職人 "というべきか

大上段に構えた仰々しさはまったくなく、シンフォニックではあるものの初期のキング・クリムゾン

的な" これみよがし "ぽさがないだけに非常に聴きやすいという側面も有している

初期のジェネシスの持っていた外連味のない一途さみたいな空気を、そのまま継承したようなアルバムで

ギタリストとしてのハケットは超絶技巧を有しているにもかかわらず独特の癖や色の濃さがないので

ジェフ・ベックジミ・ヘンドリックスといった超大物ほどの知名度はない

しかし、クラシカルなフレーズと多彩なプレイにより美しいフレーズを奏でるという面では、

アンサンブルを重視した頭脳的なギタリストといえる

 

ティーヴ・へケットが初期のジェネシスサウンド形成に大きな役割を果たしていたことが分かる通り

叙情性あふれるブリティッシュプログレサウンドになっていて、4人のソロ・アルバムの中で

最大のヒットになった

また、そのサウンドに合うようメンバーも、フィル・コリンズ、マイケル・ラザフォードのジェネシス

組に、実弟のジョン・ハケットがフルートとして、マイク・オールドフィールドの実姉のサリー・

オールドフィールドがヴォーカルとして、また、ブランドXのパーシー・ジョーンズがゲストで参加

するなど、いわゆる職人肌のメンツが参加している

ジェネシスピーター・ガブリエル脱退という最大の危機を、フィル・コリンズをフロントマンにし

ポップス路線に転換し、ガブリエル在籍時以上の活躍をしたが、本作を聴くとスティーヴ・ハケットが

脱退することになるのもやむなしと思われるサウンドになっている

 

Voyage of the Acolyte

Voyage of the Acolyte

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