1975年発表当時、全米予約だけで
ミリオン・セラーを記録したアルバム
ドゥービー・ブラザーズは、トム・ジョンストンが中心となった前期と、マイケル・マクドナルドが
中心となった後期とに分けられる
前期ドゥービー・ブラザーズは、本作のアルバムのジャケット写真のイメージそのままにアメリカの
大平原を馬に乗って疾走するような男っぽく、骨太なサウンドが特徴であったが、トム・ジョンストン
が第一線から退き、マイケル・マクドナルドが加入してトム・ジョンストンの後をついで主導権を握る
ようになってからは一転、都会的なサウンドのバンドに様変わりした
このバンドの凄いところは、音楽性がどれだけ変化しても前期も後期もすべてのアルバムにおいての
クオリティが非常に高いというところにある
§ Recorded Music §
1 Sweet Maxine - スウィート・マキシン
2 Neal's Fandango - ニールのファンダンゴ
3 Texas Lullaby - テキサス・ララバイ
4 Music Man - ミュージック・マン
5 Slack Key Soquel Rag - スラック・キー・ソキュアル・ラグ
6 Take Me in Your Arms - 君の胸に抱かれたい
7 I Cheat the Hangman - ハングマン
8 Rainy Day Crossroad Blues - レイニー・ディ・クロスロード・ブルース
9 I Been Workin' on You - おまえに首ったけ
10 Double Dealin' Four Flusher - ダブル・ディーリン・フォア・フラッシャー
§ Band Member §
Tom Johnston - トム・ジョンストン( Vo,G )
Patrick Simmons - パトリック・シモンズ( Vo,G )
Jeff 'Skunk' Baxter - ジェフ・バクスター( G )
Trian Poter - タイラン・ポーター( Vo,B )
John Hartman - ジョン・ハートマン( Ds )
Keith Knudsen - キース・ヌードセン( Ds,Vo )
|
ロックン・ロールもバラードも、ソウルもブルースもあって曲のスタイルはバラエティに富むがすべて
良く、共通するのはサウンドのスケールの大きさで、豪華キャストが最高のアレンジを披露しテッド・
テンプルマンがプロデュースしたこの音楽は目も眩むほどの楽しさに満ちている
トム・ジョンストンが、ドゥービー・ブラザーズが渾身の力を込めて作った70年代アメリカン・ロックの
金字塔、そしてこのアルバムでしか聴けない到達しえない破格の音が鳴っている
ピアノやホーン、ストリングスを積極的に導入しつつ、なおかつドゥービーらしさを失っていない
それだけジェフ・バクスターも含めたバンドの音が確立していたということだ
オープニングでリトル・フィートからの助っ人ビル・ペインのピアノのイントロからディストーションの
効いたギター、さらにリズム隊が絡んで歌が入るころにはドゥービー・ワールド全開で、さらにハードな
" ニールのファンダンゴ "、壮大なバラード" テキサス・ララバイ "、カーティス・メイフィールドの編曲
による" ミュージック・マン "、アコギ2本による神業プレイ" スラック・キー・ソキュアル・ラグ "までの
アルバムA面はまさに完璧な流れである
その後にもプログレチックな" ハングマン "、ライ・クーダーをゲストに招いたアコースティック・
ブルースの" レイニー・ディ・クロスロード・ブルース "と聴きどころ満載である
アルバム発売時のジャケット・スリーブに「 ツェッペリンと肩を並べるビッグバンドに成長 」という
文句があり言い過ぎかと思ったが、今となってはあながち誇張ではないと思う
奇しくもバンドの顔がトム・ジョンストンからマイケル・マクドナルド( 元スティーリー・ダン )へと
移り変わる時代の作品で、このアルバムの特徴は、とにかく派手で勇壮なオーケストレーションの導入だ
賛否両論あったかもしれないが、一見泥臭くみえて演奏はスマートで良い意味で非常に聴きやすい
作品となっている
ギターの要であるジェフ・バクスターの正式加入が大きく、ダブル・ドラムスとトリプル・ギター編成と
なり、よりパワー・アップしたサウンドとアンサンブルが心地よい
これはバンドに大きな活力をもたらしたと言って良い