Deliver Great Music

Ultimate Music Album - 極 -


== Sponsord Link ==


Colosseum - Valentyne Suite:ヴァレンタイン組曲 -

一般的にColosseumの代表作とされる作品であり
素晴らしい演奏と完成度を誇る

 

1970年代のハード・ロック・ユーザーであれば知っていて当然のグループだが、代表曲はジャック・

ブルース絡みであるし、未だに全体的なイメージをつかみにくいバンドである

コロシアムの人脈をゴソッと引き抜けば芋づるのようにいろんなバンドが絡んでいる

キーマンはジョン・ハイズマン、この人はジンジャー・ベイカー以上に自己主張するドラミングというが

要するに曲中でずっとドラム・ソロ状態なので、ほかのメンバーはやりにくかったと思う

バンドのコンセプトはごった煮で、クラシック、トラッド、英国ジャズ、ロックン・ロールそれぞれに

素養をもつ演奏家を自由に組み合わせて何が出てくるか、さぁお立ち会いといったところである

 

§ Recorded Music §
1 The Kettle - ケトル
2 Elegy - 哀歌
3 Butty's Blues - バディのブルース
3 The Machine Demands a Sacrifice - マシーン・ディマンド・ア・サクリファイス
4 The Valentyne Suite - ヴァレンタイン組曲
 Ⅰ a) Theme One-January's Search - 第一主題:1月の追求
 Ⅱ b) Theme Two-February's Valentyne - 第二主題:2月のヴァレンタイン
 Ⅲ c) Theme Three-The Grass is Always Greener - 第三主題:緑なす草原

§ Band Member §
Dave Greenslade -デイヴ・グリーンスレイド( Key )
Dick Heckstall-Smith - ディック・ヘクストール=スミス( Sax )
Jon Hiseman - ジョン・ハインズマン( Ds )
James Litheland - ジェイムス・リザーランド( Vo,G )
Tony Reeves - トニー・リーヴス( B )

 


 

 

 

1曲目の" ケトル "から凄まじいほどのハイテンションかつハイレベルで、曲想がもつ雰囲気は

ブリティッシュ然としているが、そこらへんの凡百バンドとの違いは何といってもジョン・ハインズマン

のドラムを顕著とした高レベルな演奏だろう

そして、ジェイムス・リザーランド作の2曲目" 哀歌 "はまさに自身の渋みのある歌声とディック・

ヘクストールのこれまた味わい深いホーンとが重なって実に心に響く叙情的な仕上がりだ

そしてハイズマンの腕の見せどころ" マシーン・ディマンド・ア・サクリファイス "、彼の天才たる所以を

存分に堪能できる曲で、手数の多さと反比例する正確さ、軽すぎるリズム…だが音は重い…手数の多さで

ごまかさすような似非ジャズ・ドラマーよりよっぽど巧い

そして、ハイライト" ヴァレンタイン組曲 "、外連味たっぷりの曲展開とケチのつけようのない演奏面は

飽きることがない

クリーンスレイドの豪放なオルガン・タッチは圧巻の一言である

 

 

 

 

 

Listen on Apple Music
App Icon Apple Music

 

シンセサイザーが出てくる前の時代の音楽なので古臭さは否めないものの、ジャンルを度外視したまるで

荒れ狂う音楽の大海原である

ジェイムス・リザーランドの良くも悪しくも派手なヴォーカルに好みは分かれると思うが各プレイヤーの

技量や楽曲が素晴らしく、いまだに聴いていてまったく退屈せず、とても気持ちよく贅沢な気分になれる

稀有なバンドである

これこそ真にクリエイティブ、真にプログレッシブな音楽といえる

1960年代ロックのイノベーターといえばクリーム、ジミ・ヘンドリックスフランク・ザッパだが

コロシアムは彼らに勝るとも劣らない足跡を遺した偉大な存在であったと思う

 

プログレッシブ・ロックという言葉もまだなかった60年代に作られた傑作で、アルバム前半こそオーソ

ドックスなジャズ・ロックという感じだが、やはり後半の17分にも及ぶ" ヴァレンタイン組曲 "は

素晴らしく、テクニックのあるメンバーたちによる緊張感のある演奏は、激しいリズムの展開の中で

デイヴ・グレーンスレイドのハモンド・オルガンが鳴り響くプログレッシブなアプローチに激し目の

ギターとサックスが絡んで、ときにナイスばりのクラシカルさも聴かせる

プログレッシブ・ジャズ・ロックの最初の完成というべき作品だ

ジャズとロックを融合するなんて芸当は初めから難点がありすぎて、ジャズ・ロックなんていわれる

ものも、ほとんどどちら側に偏っているのが常だが、この作品は違う

まさにコレでしかないほど見事に融和しているから、誰が聴いてもわかりやすいと思う