デビュー作でありながら、グラミー賞5部門受賞
破格の成功を収めたアルバム" Christopher Cross - 南から来た男 - "
クリストファー・クロスは、このアルバムでデビューした期待のシンガー・ソングライターだった
アメリカでは当時デビューしたばかりでほとんど知られてなく、日本でも輸入盤が入荷して以来、
口コミで評判を呼び無名の新人のデビュー・アルバムが騒がれるのは異例のことだった
それもそのはず、デビュー当時はコンサートもせず素顔を公開していなかったが、これはクリストファー
自身の意向によるものであったようだ
天使のようなハイ・トーン・ヴォイスで一躍AORを代表する歌手となる
§ Recorded Music §
1 Say You'll Be Mine - セイ・ユール・ビーマイン
2 I Really Don't Know Anymore - 愛はまぼろし
3 Spinning - スピニング
4 Never Be the Same - もう二度と
5 Poor Shirley - 哀れなシャリー
6 Ride Like the Wind - 風立ちぬ
7 The Light is On - ライト・イズ・オン
8 Sailling - セイリング
9 Minstrel Gigoro - ジゴロの芸人
§ Member §
Christopher Cross - クリストファー・クロス( Vo,G )
Rob Meurer - ロブ・ミューラー( Key )
Andy Salmon - アンディ・サモン( B )
Tommy Taylor - トミー・テイラー( Ds )
- アーティスト: クリストファー・クロス
- 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
- 発売日: 2008/12/17
- メディア: CD
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プロデューサーにスティーリー・ダンなどに参加しているマイケル・オマーティアン、ゲスト・ミュージ
シャンが当時売れっ子プロデューサーであったデヴィッド・フォスターとエアプレイを結成した
ジェイ・グレイドンをはじめ、ニコレット・ラーソン、ドン・ヘンリー、マイケル・マクドナルド、
ヴァレリー・カーター、J.D.サウザーなど人気のシンガーのほか、ラリー・カールトン、エリック・
ジョンソンなどが加わっていることなども、このアルバムが人気を呼ぶひとつの理由になっていた
しかし、まったくの無名の新人のアルバムがそれだけ売れるには、ゲスト・ミュージシャンばかりでなく
クリストファー本人の音楽に人を惹きつけるだけの魅力がなくてはならない、それは親しみやすい
曲を作る才能と伸びやかで屈託のない高音のヴォーカルによるところが大きかったと思う
クリストファー・クロスは1970年代初頭にテキサス州のサンアントニオをベースに活動をしていた
フラッシュというハード・ロック・バンドでヴォーカルとギターを担当していたことが出発点である
やがて、このアルバムでも参加しているロブ、アンディ、トミーの3人と行動をともにするようになり
テキサスのクラブ・サーキットで知られ始める
そんな彼らに注目したのが、テキサスのシンガー・ソングライターでプロデュースでも知られるマイケル
プロヴスキーで、彼の手を通してワーナーからデビューすることになる
クリストファーのレコーディングにニコレット・ラーソンが仕事の合間に覗きにやってきて気に入り
バックグラウンド・ヴォーカルをやることになり、ドン・ヘンリーも一聴して気に入り、J.D.サウザーを
一緒に連れてきて一緒にコーラスを入れたのだという
" 風立ちぬ "クリストファー・クロスの代表的な1曲、イントロからカッコいいナンバーで、ホーン・
セクションの使い方などアレンジが素晴らしく、マイケル・マクドナルドのコーラスが大活躍である
1980年度のグラミー賞" 最優秀ソング "を受賞した" セイリング "、イントロの印象的な曲で美しい
バラード曲になっているし、渋めのナンバーでは" ジゴロの芸人 "、派手さはないがエリック・ジョンソン
のギター・ソロが光っている( 間奏部で1分近いソロが素晴らしい曲になっている )
そのほか、デュエット・ヴォーカルのニコレット・ラーソンが光る" セイ・ユール・ビー・マイン "
AORらしい洒落たアレンジ" 愛はまぼろし "などはラリー・カールトンのギター・ソロにマイケル・
マクドナルドが主役を喰ってしまうかのような存在感のあるコーラスが印象的である
デビュー・アルバムにしてこれほど完成度の高い作品を作り上げたことは、やはり驚愕に値するし
グラミー賞を総ナメにするだけのパワーを持ったアルバムであるし、リリースされた当時多くの女性が
このアルバムを聴いていたと聞く、女性にも受け入れられたというのも成功のひとつの要因だったかも…