甘い歌声と美しいシンセ・サウンド
イギリスのポップ・デュオ、Pet Shop Boysデビュー・アルバム
1981年にミュージシャン兼雑誌記者のニール・テナントと、当時学生だったクリス・ロウの2人が
出会って結成された
楽器屋で2人同時に同じキーボードに手を出したことにより運命的なものを強く感じたとのこと…
デビュー当初のユニット名はウェストエンド、共通の友人がペットショップで働いていたことから現在の
ペット・ショップ・ボーイズに改名した
1984年にエピックから" ウェスト・エンド・ガールズ "でデビューしたが、このときは売れず散々な
結果であった
§ Recorded Music §
1 Two Divided by Zero - トゥー・ディバイディッド・バイ・ゼロ
2 West End Girls - ウェスト・エンド・ガールズ
3 Opportunities ( Let's Make Lots of Money ) - オポチュニティーズ
4 Love Comes Quickly - 恋はすばやく
5 Suburbia - サバービア
6 Opportunities ( Reprise ) - オポチュニティーズ( リプライズ )
7 Tonight is Forever - 今夜はフォーエヴァー
8 Violence - ヴァイオレンス
9 I Want a Lover - アイ・ウォント・ア・ラヴァー
10 Later Tonight - レイター・トゥナイト
11 Why Don't We Live Together? - ホワイ・ドント・ウィ・リヴ・トゥゲザー
§ Performance §
Neil Tennant - ニール・テナント( Vo )
Chris Lowe - クリス・ロウ( Key )
1985年にパーロフォンに移籍後、2曲目としてリリースした" ウェスト・エンド・ガールズ "のポップ・
アレンジ・ヴァージョンが大ヒット、全世界で150万枚を売り上げて一躍有名になった
1986年には本作を発売し全英3位とこれまたヒット、その後も現在に至るまで数々のヒットを提供し
続けている
イギリス・アーティストでも異色の存在だが、リリースする曲はなかなかいい出来なので、曲だけ聴く
分には、ラップあり、ニューウェーヴありの、シンセ・ポップ、もしくはエレクトロ・ポップの面白い
グループである
" ウェスト・エンド・ガールズ "は、イギリスのロンドンの" ウェスト・エンド "という地名から取った
タイトルで、ウェスト・エンドはどちらかというと華やかな富裕層が暮らす地域、対してイースト・
エンドは貧困層が暮らすダウンタウンで、歌詞内にでてくるイースト・エンド、ウェスト・エンド…
貧困層の男と、富裕層の女を対比した曲であり、貧困層の男もときにはハメをハズして夜な夜な、
富裕層のいる女のとこで遊ぶんだよというような内容の曲である
アメリカ、イギリスを含む世界各国で1位を獲得した80年代を代表する名曲" ウェスト・エンド・ガールズ "
以外にも、" オポチュニティーズ " " 恋はすばやく " " サバービア "などヒット曲を含み、そのほか特に
日本のファンの間で人気の高い" 今夜はフォーエヴァー "や泣きのピアノ・バラード" レイター・
トゥナイト "など、彼らのキャリアを語る上で外せない楽曲揃いである
とはいえ、今日の水準からするとあまりにキャッチーすぎるメロディや、素朴といっていいほど直球な
アレンジなど正直気恥ずかしい部分もある
基本的に歌詞はニール・テナント、メロディ・ラインはクリス・ロウが作成し、クリアなウィスパー・
ヴォイスのヴォーカルと流れるようなシンセ・ポップが特徴で、ダンス・ミュージックとして高く
評価されている
また、前衛映画の制作も行っており、ミュージック・ビデオやライヴでの演出にもその映像的センスが
みられる
ポップな曲調でありながら歌詞やテーマに社会的事情への風刺を取り入れることも多く、後の作品の
" 哀しみの天使 "や、1991年ソ連崩壊にインスピレーションを受けミュージック・ビデオで社会主義
リアリズム的をカリカチュアライズした" ゴー・ウェスト "が有名である