Elvis Costello - My Aim is True：マイ・エイム・イズ・トゥルー -

1977年発表、Elvis Costelloのデビュー・アルバム
全英14位 全米32位

1977年リリースで、いんちきバディ・ホリーみたいなポートレートで有名な本作こそ、極めてねじれた

恋愛感情を美麗な旋律にのせて告白する代表曲" アリソン "を筆頭に、当時強烈に吹き荒れていたパンク

ムーブメントとそのルーツを共有しつつも、それらとはまったく異なる独自スタイルで人々の心を捉えた

偉大なデビュー作にして、彼をIBM 360コンピューターの平凡なオペレーターから英国を代表する

ソング・ライターとしての道へと導いた歴史的傑作である

プロデュースはパブ・ロックの伝説にして、当時スティッフ・レコードのハウス・プロデューサーとして

ザ・ダムドのデビュー作も担当していたニック・ロウである

§ Recorded Music §
1 Welcome to the Working Week - ウェルカム・トゥ・ザ・ワーキング・ウィーク
2 Miracle Man - ミラクル・マン
3 No Dancing - ノー・ダンシング
4 Blame it on Cain - ブレイム・イット・オン・ケイン
5 Alison - アリソン
6 Sneaky Feelings - スニーキー・フィーリングス
7 ( The Angels Wanna Wear My ) Red Shoes - レッド・シューズ
8 Less Than Zero - レス・ザン・ゼロ
9 Mystery Dance - ミステリー・ダンス
10 Pay it Back - ペイ・イット・バック
11 I'm Not Angry - アイム・ノット・アングリー
12 Waiting for the End of the World - ウェイティング・フォー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド
13 Watching the Detectives - ウォッチング・ザ・ディテクティヴス

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デビュー作からいきなり英国、米国ではヒット・チャート上位に登場し、その後の彼の80年代から

90年代は安定した商業的評価を得ている

ソング・ライターでもあるエルヴィス・コステロは、本アルバムのフィーチャー・ナンバーはずべて

彼自身の手によるものだが、何といってもアルバムに先行してシングル・リリースされたバラード・

ロックの" アリソン "で、このナンバーはリンダ・ロンシュタットが1979年の" ミス・アメリカ "で

オリジナルをほぼ踏襲するしっとりとしたバラードでカバーしている

Alison

• エルヴィス・コステロ
• ロック
• ¥255
• 

• provided courtesy of iTunes

実際エルヴィス・コステロがパブ・ロックだったことはないが、パブ・ロック・シーンを基盤にして

世に出たポップ・スターであることは確かで、デビュー作にして彼をスターダムにのし上げたこの作品は

どの曲も荒削りながら世相への怒りとメロディアスなポップ・ロックにあふれている

ただ他のアルバムとまったく違った点というと" アリソン "の存在で、彼のバラードはアコースティックに

激情していく切々タイプと、メロディは淡々としているがゴージャスなアレンジで輝かせるタイプと

2つのタイプに分かれるが、" アリソン "はそのどちらでもなく、コステロがポップ・ソングでみせる

ような美しいメロディを激情というよりは、むしろセンチメンタ・リズムで聴かせてくれる恋歌である

これ以降、このタイプの曲が彼のソング・ライティングから出てきたことはないという意味でも重要だ

パンク・ムーブメント全盛期に発売になったアルバムだが、ジャケットを見てもわかるようにバディ・

ホリーの影響大でサウンドはパブ・ロックの延長にあるサウンドだが、いわゆるパンクとは音楽性を

限定してないし、商業ベースに乗らない音楽を発信するところに意義があると思うが、このアルバムは

歪んだギター・サウンドは影を潜め、ビートとメロディ・ハーモニーをもってパンクを表現しているし

ほかのバンドやアルバムではお目にかかれないヒット曲やバラード曲も収録している

今でこそエルヴィス・コステロはバラードを歌う渋いおじさんといった印象を感じるが、彼の

アーティストとしての記録はこの" マイ・エイム・イズ・トゥルー "から始まった

My Aim Is True (Dig) (Spkg)