神秘的かつ官能的に展開するサウンドに
Carlos Santana本来の魂が宿る
グループでの活動以外はコラボレーションという形式をとっていたカルロス・サンタナにとって初の
ソロ名義のアルバムとなっている
宗教への傾倒ぶりを快く思わないバンド・メンバーへの配慮か、このソロ作品では思う存分に宗教色を
打ち出している
宗教色濃い目とはいえど、円熟したギター・プレイやエキゾチックな演奏は素晴らしいのひとこと
当時カルロス・サンタナは、宗教家スリ・チンモイに夫婦揃って弟子入りしていて、サンスクリット語
の" Devadip "という名前を与えられていて、このソロ・アルバムでも" Devadip Carlos Santana "名義で
発表された
§ Recorded Music §
1 Chosen Hour - 精選の時
2 Arise Awak - 目覚めと鳴道
3 Light Versus Darkness - 光と闇
4 Jim Jeannie - ジム・ジーニー
5 Transformation Day - トランスフォーメーション・ディ
6 Victory - ヴィクトリー
7 Silver Dreams Golden Smiles - シルバー・ドリームス・ゴールデン・スマイル
8 Cry of the Wilderness - 荒野の叫び
9 Guru's Song - クルーの歌
10 Oneness - ワンネス
11 Life is Just a Passing Parade - 果てしなきパレード
12 Golden Dawn - ゴールデン・ドーン
13 Free As the Morning Sun - 朝日の如き自由を
14 I Am Free - アイ・アム・フリー
15 Song for Devadip - ソング・フォー・ディヴァディヴ
§ Personal §
Greg Walker - グレッグ・ウォーカー（ Vo ）
Carlos Santana - カルロス・サンタナ（ G ）
Tom Coster - トム・コスター（ Key ）
Graham Lear - グラハム・リア（ Ds ）
Pete Eccovedo - ピート・エスコヴェート（ Per ）
Armando Peraza - アーマンド・ペラーザ（ Per ）
David Margen - デヴィッド・マーゲン（ B ）
Chris Solberg - クリス・ソルベング（ G ）
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アルバム・ジャケットを見ると宗教色がかなり強く出ているように見えるが、実際中身はどうだろうと
思い聴いてみると、これがいい意味で予想を裏切られる
カルロス・サンタナのギターが泣くは泣くは、そして艶のあるトーン、トム・コスターの重厚な
キーボード、アーマンド・ペラーザのいぶし銀のようなパーカッションということがない
ストリングスが美しいバラード" シルバー・ドリームス・ゴールデン・スマイル "、Mr.ヘルマーノの
カバーでお馴染みの" 朝日の如き自由を "など、東洋思想への傾向もみられる作品となっている
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カルロス・サンタナが宗教色全開で作ったアルバムとの評価が一般的だが、スピリチュアルな雰囲気は
あるものの、音楽的には彼のそれまでの音楽的変遷（ ブルース、ラテン、ジャズ、ポップ、クロスオーバー
など ）がうまく散りばめられている
" 精選の時 "から" ヴィクトリー "は大阪でのライヴ・テイクが収録されているが、これがすごく12分にも
およぶ荘厳なジャズ・ロック・テイストの組曲でこれを聴くだけでもこのアルバムの価値がある
また、もうひとつのハイライトが" ワンネス "で、" 哀愁のヨーロッパ " " 哀愁のボレロ "にも勝る泣き、
感情満載のインストゥルメンタルである
それ以外でもカルロス・サンタナのギター・フレーズは素晴らしく、" クルーの歌 "での郷愁感、
" 荒野の叫び " " ソング・フォー・ディヴァディヴ "での開放感など、アルバム全体で聴きどころ満載で
なにより、この頃のカルロス・サンタナはギターが最高に弾けていた時期なんだろうなとわかるくらい
トーンが素晴らしく、ラストの" ソング・フォー・ディヴァディヴ "では怒涛の弾きまくり、泣きまくりで
サンタナ節が好きな人なら脳内麻酔が噴出すること間違いない
