弱冠18歳ながら本格的なヴォーカリスト・ソングライターの
才能を感じさせるMichelle Branchのデビュー・アルバム
2001年にリリースされた当時18歳、ミシェル・ブランチのメジャー・デビュー・アルバム、世界で
400万枚を超えるセールスを記録した本作によって" ギターをかき鳴らすシンガー・ソングライター "の
代名詞的存在となった
後発のアヴリル・ラヴィーンがあまりにセンセーショナルに迎え入れられたため、やや印象が薄い形に
なってしまった本作だが、洋楽ポップスや女性ヴォーカルが好きな人には必聴の1枚である
曲からストーリーを連想できるほど創造性に飛んだ詩世界を構築していて才能を感じる
一聴しただけで声のすばらしさが分かる独特でちょっと甲高い感じの声はミシェル・ブランチの名刺の
ようなもので、ポップで覚えやすいメロディラインは日本人にもとっつきやすく、歌詞も割と簡単で
聴きやすい
このアルバムで彼女は恋愛を歌っているが、かつての自分や、心の奥底にある自分の本心や青さをも
思い起こさせてくれるような曲が満載である
§ Recorded Music §
1 Everywhere - エヴリウェア
2 You Get Me - ユー・ゲット・ミー
3 All You Wanted - オール・ユー・ウォンテッド
4 You Set Me Free - ユー・セット・ミー・フリー
5 Something to Sleep to - サムシング・トゥ・スリープ・トゥ
6 Here with Me - ヒア・ウィズ・ミー
7 Sweet Misery - スウィート・ミザリー
8 If Only She Knew - イフ・オンリー・シー・ニュー
9 I'd Rather Be in Love - アイド・ラザー・ビー・イン・ラヴ
10 Goodbye to You - グッドバイ・トゥ・ユー
11 Drop in the Ocean - ドロップ・イン・ジ・オーシャン
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最初に聴いたときはポップで分かりやすい曲調がいいと思い、また歌声はパワフルだけど切ない感じの
印象を持った
1曲目の" エヴリウェア "のアコースティック・ギターのイントロから歌い出しまでの感じが月並みだが
カッコよく、そのカッコよさを持続したまま最後まで聴かせてくれる
全体的にストレートな8ビートの曲が多く、ギターはしっかりした骨太な音で、とにかく演奏自体が
すごく良く、激しい曲やパワフルな曲が多いが" スウィート・ミザリー "みたいに幻想的な曲も入っている
感情が曲を通して伝わってくる" アイド・ラザー・ビー・イン・ラヴ "みたいな歌い方が特によく、
自分自身でコーラスをやっていてメインの歌とかぶさって、演奏と相まって音の圧力がすごい感じがする
Michelle Branch - Everywhere [Official Music Video]
Michelle Branch - All You Wanted (Official Music Video) | Warner Records
Michelle Branch- I'd Rather Be In love- Music Video
カジュアルでラジオ・フレンドリーな曲の数々は、思わず口ずさみたくなるような気持ちになる
しかし、明るいだけではなくうねり迫ってくるような歌唱にはハッとさせられたりもする
歌詞も女の子の普遍的な心情を描いており親しみやすく、そして深い…ミシェル・ブランチという
アーティストのセンスの良さは天才的で、心の深遠な部分をあくまでキャッチーな音楽に昇華、完成
させる能力、表面的なだけのポップスではなく内に秘めたる" スピリット "をリスナーはじっくりと
感じることができる
特にシングル・ヒットした" オール・ユー・ウォンテッド "のサビは、まるで真紅の花が咲き乱れるような
印象さえ受け、惹き込まれてしまう
大袈裟にいえばシェリル・クロウの正統性、アラニス・モリセットの爆発性を兼ね備えている
マヴェリック・レコードが新たに世に出した18歳の女性ヴォーカリスト、ギターもキーボードも堪能で
ジョン・シャンクス、シェリー・ビーケンとの共作で全部の楽曲を書いていて、エッジの効いたソング
ライターとしての資質もきちんと発揮、プログラミングとバンド・サウンドを組み合わせて練り上げる
プロダクションからは、当時のアメリカンのメイン・ストリームに打って出るという気迫が感じられる
当時、彼女から始まりガールズ・ロックの全盛、その中でも彼女は人気、声、楽曲、ルックス、実力
すべて備わっていた
この頃はまるでミシェル・ブランチに続けとばかりにいろいろなガールズ・ロック・バンドやソロの子が
デビューしては消えてを繰り返していた
その頃はまだ奇抜な衣装をしたりするような女性歌手がいなかったような気がするが…まさにその
シンプルさで勝負をしていたアーティストである