1988年のスーパー・スター5人が集まった覆面バンド作品
でもバレバレの親父バンド…面白く楽しい曲が一杯だ
超大物がレーベル枠を超えて集結してバンドを作ってレコーディングしたため、仮名を使うことに
ピンナップ・ビデオは流されていて、ジャケットの通り全員サングラスで変装??していて、誰にでも
すぐ分かるように工夫してあった
確かにエッ!と声を上げずにいられないほどの顔ぶれで、その大物はボブ・ディラン、ジェフ・リン、
トム・ペティ、そして今は亡きロイ・オービソンとジョージ・ハリスン、この5人がバンドを作った
わけだからファンでなくても放ってはおけなかった
1回限りのセッションではなくて、ひとつの音楽ユニットとして続けていこうというようなことだたった
" ハンドル・ウィズ・ケア "がジョージ・ハリスンの曲で、彼の全時代を通じてもとりわけ素敵な楽曲で
最初のシングル・カット曲、" もうちょっと大切に扱って欲しい "という歌詞が彼の心情を表している
ような感じがする
§ Recorded Music §
1 Handle with Care - ハンドル・ウィズ・ケア
2 Dirty World - ダーティ・ワールド
3 Rattled - ラトルド
4 Last Night - ラスト・ナイト
5 Not Alone Any More - もう一人じゃない
6 Congratulations - コングラチュレイションズ
7 Heading for the Light - ヘディング・フォー・ザ・ライト
8 Margarita - マルガリータ
9 Tweeter and the Monkey Man - トゥイーターとモンキー・マン
10 End of the Line - エンド・オブ・ザ・ライン
§ Band Member §
Nelson Wilbury - ジョージ・ハリスン( G,Vo )
Otis Wilbury - ジェフ・リン( Key,Vo )
Lucky Wilbury - ボブ・ディラン( G,Vo )
Charlie T.Jnr - トム・ペティ( B,Vo )
Lefty Wilbury - ロイ・オービソン( G,Vo )
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ジョージ・ハリスンのアルバム" クラウド・ナイン "からシングル・カットされる際、新たなB面の曲が
必要になり、このメンバーが集ってレコーディングしたのがきっかけで覆面バンド、トラヴェリング・
ウィルベリーズが結成された
本作はR&B、カントリー、ロックン・ロールなど豊潤なアメリカ音楽の良質な部分を力を抜いて軽く
セッションしたような奇跡の名盤、5人の良いところが見事にマッチし、マイナス要素がなく、奇跡と
呼べるグルーヴ、人間力が生んだハーモニーとこの4人には日常のことだが、ラフな感じもたまらない
5人の持ち味が遺憾なく発揮された名演で、ジョージ・ハリスンの何気ないリーダー性を感じ、ロックに
ほとばしっている
The Traveling Wilburys - Handle With Care (Official Video)
The Traveling Wilburys - End Of The Line (Official Video)
レコード会社からも" アルバムにできないか "と持ちかけられ、5人は1988年4月から5月の10日間をかけて
デイヴ・スチュワートの家のキッチンなどでレコーディング、仕上げをイギリスのジョージ・ハリスンの
邸宅フライアー・パークで行い、アルバム" トラヴェリング・ウィルベリーズ Vol.1 "は10月にリリース
メンバーは" ウィルベリー姓の兄弟 "という設定で実名を伏せ、覆面バンドというコンセプトであった
アルバムは大きな成功を収めトリプル・プラチナ・アルバムに設定、1989年のグラミー賞では、最優秀
ロック・デュオ/グループを受賞している
次々と変わる個性あふれるヴォーカルに興奮せずにいられず( 声を聴けば誰か分かる )ロック史上の
エポック・メイキングなアルバムである
実力も知名度もあるこんなナイスなオヤジたち5人が仮名で組んだスーパー・ユニットで、今考えても
ちょっと信じられない夢の組み合わせ、シールだらけのギター・ケースが5台並んだバック・ジャケット
も良く、アルバム全体的には5人のキャラクターが絶妙のバランスで融合した仕上がりになっている
それでいて" ハンドル・ウィズ・ケア " " ヘディング・フォー・ザ・ライト "では、ジョージ・ハリスンの
伸びやかなメイン・ヴォーカル、" もう一人じゃない "ではロイ・オービソンのヴェルヴェットヴォイス、
そして" コングラチュレイション "ではボブ・ディランの粘っこいメロディという風に、それぞれの
個性が活きたナンバーが随所に散りばめられている