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Ultimate Music Album - 極 -


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Uli Jon Roth - Under a Dark Sky:アンダー・ア・ダーク・スカイ -

主題である宇宙そして人類の諸行…時空を超えるエネルギー
人類が遭遇した奇跡、形而上学的示唆、魔術、狂気

 

音楽的側面からこのアルバムを語ると、まず言えるのはこの作品はただのロック・アルバムである

とするには言葉が不十分、いうならば完全無欠のプログレッシブ・ロック・アルバムというのが案外

しっくりくる

楽曲は欧州、中東、東アジアと世界を駆け巡るだけでなく天上界から一気に地獄に駆け下りたかと思えば

人間界に浮上する

ギターも無駄な音は削られ必要十分程度の歪みと、完全にコントロールされたフィードバック奏法の

新境地、ウリ・ジョン・ロートは不死鳥…枯れてなおかつ燃え盛り、暗闇で激しく泡立つ精液の如し…

そんな感慨深いアルバムとなっている

 

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§ Recorded Music §
1 S.O.S. - S.O.S.
2 Tempus Fugit - テンプス・フージト~時代は過ぎ行く…光陰の如く
3 Land of Dawn - ランド・オブ・ドーン
 1) Techno Man - テクノ・マン
 2) Land of Dawn - ランド・オブ・ドーン
 3) Lion Wings - ライオン・ウィングス
4 The Magic Word - ザ・マジック・ワード
5 Inquistion - インクイジション
6 Letter of the Law - レター・オブ・ザ・ロウ
7 Stay in the Light - ステイ・イン・ザ・ライト
8 Benediction - ベネディクション
9 Light & Shadows - ライト・アンド・シャドゥズ
10 Tanz in die Dammerung - タンツ・イン・ディー・デンマルング~落日の舞踏
 1) Destination Twilight - デスティネイション・トワイライト
 2) Morgenrot - モーゲンロート 朝焼け
 3) Searchlights from Hell - サーチライツ・フロム・ヘル
 4) Seelenschmerz - ゼーレンシュメルツ 魂の叫び
 5) Inside the Titanic - インサイド・ザ・タイタニック
 6) Fama Errat - ファーマ・エラット 真実は何処
 7) Requiem for the Nations - レクイエム・フォー・ザ・ネイションズ
 8) Morituri - モーリトゥリー 死にゆく者への讃歌
 9) Rex Tremendae - レックス・トレメンデ 畏るべきは王 
 10) Star Peace - スター・ピース
 11) Tanz in die Dammerung - タンツ・イン・ディー・デンマルング 落日の舞踏
 12) Silence - サイレンス

 

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手塚治虫火の鳥 」を彷彿させるものがあり、そこにはドイツの文化ヨハン・ヴォルフガング・フォン

ゲーテの長編の戯曲" ファウスト "からの影響が強くみてとれ、本作のモチーフとしての流用は否めない

15世紀から16世紀頃のドイツに実在したといわれる錬金術占星術を使う黒魔術師であるという噂に

包まれ、悪魔と契約して最後には魂を奪われ身体を四散されたという奇怪な伝説の主人公ファースト博士

誘惑の悪魔メフィストフェレスは神とファウストの魂を悪の道へと引きずる込めるかどうかの賭けを

持ちかけ神は容認する

メフィストファウストに、あの世での服従を交換条件に現世でさまざまな人生を体験させてくれる

という約束をする

皇帝を戦勝に導き、海を埋め立てる大事業に取り組むが、失明して死する…テーマらしいテーマもなく

なんの奥義も示さぬままに…という終わり方は本作にも共通するところか

 

 

 

 

Benediction

Benediction

  • Uli Jon Roth
  • メタル
  • ¥204
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人類への警告を含んだメッセージとともにクラシカルに幕を開ける本作は、壮麗なオーケストラを

バックにしたロック・オペラ風のアルバムである

バンド・パートでの男性ヴォーカルはマーク・ボールズが、女性ヴォーカルは元サハラのリズ・

ヴァンタルがつとめている

古き良きロック風味とオーケストラ・アレンジが融合した優雅でクラシカルな作風であるが、そこに

人間的で温かみのある演奏を聴かせるのはさすがで、ウリの奏でるスカイギターは時に優しく、ときに

人類を叱咤するように激しく、宇宙における地球の物語を悲しみと希望の音によって織りなしてゆく

メタル的なモダンさを求める若いリスナーには、古臭く感じるかもしれないが、これがロックであり

これが本物の音楽である

音の向こうに世界が見えるかどうか、紡がれるメロディを感じるかどうか、18分の大曲のラストは

唐突だが、類稀な天才の手による音楽と世界の融合がここにまたひとつ完成した

 

9.11を彷彿とさせるサイレンの音からスタートする本作は壮大で重厚な仕上がりになっている

ウリは暗闇から光を探して宇宙の果まで届きそうな、ときに暗く重く神がかったような技巧で高音まで

スカイギターを奏でる

オペラ歌手並みの技量のシンガーたちとウリのギターが絡み、楽曲もすべてオリジナルで今までの

どの作品よりも完成度が高いと思う

オーケストラのストリングスとウリのギターがとても美しい旋律を奏でる" ベネディクション " " ライト

アンド・シャドゥズ "では哀愁を帯びたウリのヴォーカルは兵士が異国から故郷を思うアイルランド

曲を彷彿させる

彼のギターが好きでもファンがこのアルバムが好きになるとは限らない作品であるように思うが、新たな

世界を展開するウリ・ジョン・ロートとスカイ・オーケストラは今世紀の救世主となりえるであろうか