あまりにも知られた1枚、ジャケットのインパクトもハンパない
ロック・シーンにおいては未だ周辺地域でしかなかったアメリカ西海岸ワシントン州シアトルのインディ
レーベル、サブ・ポップから1989年にシングル" ラヴ・バズ "でデビュー、同年デビュー・アルバム
" ブリーチ "を発表、1991年にメジャー・レーベル、デヴィッド・ゲフィン・カンパニーからセカンド
アルバム" ネヴァーマインド "を発表、初回出荷数25,000枚足らず、しかもプロモーションのための
ツアーもなしという悲惨なスタートだったが、シングル" スメルズ・ライク・ティーン・スピリット "
がラジオとMTVで爆発的にオン・エアされると、本作は全米で300万枚以上のセールス、チャート
1位を獲得、これを境に瞬く間に彼らのフォロワーが続々とシーンに登場し、世界中に" グランジ "の毒が
撒き散らされることになった
§ Recorded Music §
1 Smells Like Teen Spirit - スメルズ・ライク・ティーン・スピリット
2 In Bloom - イン・ブルーム
3 Come as You Are - カム・アズ・ユー・アー
4 Breet - ブリート
5 Lithium - リチウム
6 Polly - ポリー
7 Territorial Pissings - テリトリアル・ピッシングス
8 Drain You - ドレイン・ユー
9 Lounge Act - ラウンジ・アクト
10 Stay Away - ステイ・アウェイ
11 On a Plain - オン・ア・プレイン
12 Something in the Way - サムシング・イン・ザ・ウェイ
§ Band Member §
Kurt Cobain - カート・コバーン( Vo,G )
Krist Novoselic - クリス・ノヴォセリック( B )
Dave Grohl - デイヴ・クロール( Ds )
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あまりに多くの人に親しまれたために多くの誤解を生んだ名盤、ポップ・ファンには重くて暗く感じる
だろうし、グランジ・ファンにとってはポップで音が洗練され過ぎているように感じるだろうし、
メタル・ファンにとってはテンポが遅く音も軽く感じるだろうし、パンク・ファンにはとっては重くて
軽快さがないと感じるだろう
音は重くヴォーカルのシャウトが際立ち、全体的な印象は暗く、ダークなコード進行のなかに絶妙な
メロディが乗り、ポップな印象を与える
ひとつひとつの曲は完成度が高く、バンドとしてのサウンドも非常に洗練されている印象があり、多くの
人に受け入れられ親しまれる完成度と魅力がある
ニルヴァーナの" ネヴァーマインド "はロックの金字塔というべき歴史的名盤としてみなされていて
" スメルズ・ライク・ティーン・スピリット "にすべてが凝縮されている
時代の閉塞感を反映したカート・コバーンの心の叫びは、そのグランジ・サウンドとキャッチーな
メロディとともに多くの人々に受け入れられていった
もはた不滅の古典というか、一種の通過礼儀として扱われているような部分もあり、ニルヴァーナと
いえば" 赤ん坊が泳いでいるジャケットの… "という反応が多い
このバンドの魅力はカート・コバーンのソング・ライティングで、あのシンプルでいてポップなリフは
多くの人を引き付ける力を持っていたように思う
曲としては普通の人が聴けばただの雑音だと感じると思うが、曲の雰囲気のようなものから異常なほどに
無力感、絶望感などといったネガティブな感情が伝わってくる
ニルヴァーナの音楽は、結局音楽性云々よりカート・コバーンの精神性に共感できるかどうかどうかだ
と思うし、このアルバムはどちらかというと音楽性より曲を聴いて伝わってくる精神性で評価すべきで
良い作品だと感じるかどうかはカートに共感できるかどうかという点が一番のポイントだと思う
ニルヴァーナは次作" イン・ユーテロ "を1993年にリリースするも、1994年4月にカート・コバーンが
自宅のバスルームで頭をライフルで撃ち抜き無残な遺体が発見された
この衝撃の死によって、バンドは解散を余儀なくされた