Pink FloydのDavid Gilmourの
1984年発表のソロ・アルバム第2弾
1984年にリリースされたピンク・フロイドのギタリスト、デヴィッド・ギルモアのセカンド・アルバムで
ファースト・ソロ・アルバムと比較すると、中高生にもわかりやすいほど内容がポップで、セールス面を
狙ったキャッチーな内容に仕上げられている
ピンク・フロイドの" ファイナル・カット "制作時にギルモアが" 自分の作った曲は全く採用され
なかった "と不満をあらわにしていたが、その時にボツにされた曲がこのアルバムで何曲かは陽の目を
みているに違いない
参加メンバーは豪華で" ラヴ・オン・ジ・エア "と" 狂った恋人たち "がピート・タウンゼントと共作
まるでジャクソン・ブラウンのような" ラヴ・オン・ジ・エア "はファースト・シングルでリリースされた
このアルバムのプロモーション・ライヴがMTVで放送され、日本でもオンエアされた
§ Recorded Music §
1 Until We Sleep - 夢なき夜
2 Murder - マーダー
3 Love on the Air - ラヴ・オン・ジ・エア
4 Blue Light - ブルー・ライト
5 Our of the Blue - 果てなきブルー
6 All Lovers Are Deranged - 狂った恋人たち
7 You Know I'm Right - アイム・ライト
8 Cruise - クルーズ
9 Let's Get Metaphysical - レッツ・ゲット・メタフィジカル
10 Near the End - 終焉の時
§ Personnel §
David Gilmour - デヴィッド・ギルモア( G,Vo )
Jeff Porcaro - ジェフ・ポーカロ( Ds )
Pino Palladino - ピノ・パラディーノ( B )
Ian Kewley - イアン・キューリー( Key )
|
ベスト・トラックはインストゥルメンタルの" レッツ・ゲット・メタフィジカル "で、オーケストラを
バックにギター・ソロが絡む荒涼とした曲調がものすごくいい
" アイム・ライト "はロジャー・ウォーターズの対するあてつけのような歌詞が印象的な曲で、よほど
2人の仲が険悪になっていたことが推測できる
この3年後にピンク・フロイドの" 鬱 "がリリースされるが、このギルモアのセカンド・ソロとの
共通点が多く、ロジャー色が排除されている
これをピンク・フロイドの延長線上で期待すると肩透かしを喰らう…純粋なロック作品
もちろん歌いまわしにはピンク・フロイド的なものを感じることがあるが、基本ブルースである
それに、その時代に感覚が見事にミックスされて、ニュー・ウェイヴ的なもの、アース・ウインド&
ファイヤー的なアプローチ、そういったのも出てくる
ギルモアの音楽のバックボーンであったり柔軟性が読み取れる感じがする
ピンク・フロイド的な要素を持った曲と、それとは違った面をみせてくれる曲が同居しているが
ピンク・フロイドという名前にとらわれず、当時のギルモア自身を表している
" 夢なき夜 "や" ブルー・ライト "のようなダンサンブルなナンバーや" マーダー "や" 果てなきブルー "の
ような、いかにもといったナンバーを表現してみて、このアルバムでギルモアはその後のピンク・
フロイドの方向性を見出したかもしれない
80年代後期以降のピンク・フロイドの土台といえる
ピンク・フロイドの" 鬱 "のプロトタイプ的内容で、ギルモアの幅広い音楽性を垣間見れるアルバムである
このアルバムの参加メンバーが凄くて、ジェフ・ポーカロ(ds)、ピノ・パラディーノ(b)がリズム・
セクションと超強力、またキーボードにはスティーヴ・ウィンウッド、ジョン・ロードが名を連ね、
ジェフ・ポーカロがデヴィッド・ギルモアのアルバムで叩いていたとは驚きであった
" 果てなきブルー "は切々と歌い上げる哀愁感ある曲で、ギルモアのヴォーカルが本当に素晴らしい
まさにデヴィッド・ギルモアの魅力満載の作品となっている